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2部   文教施策の動向と展開
第7章   学術研究の振興
第5節   学術研究に関する情報や資料の整備
1   学術情報の収集と提供


学際的な研究の広がりや、研究の高度化、専門分化など、学術研究の急速な進歩・発展に伴い、その成果として生み出される学術情報は急激に増大しており、また、その形態も、文字、数値、音声、画像等、あるいはこれらを統合的に扱うマルチメディアのように多様化している。このような状況から、大学等における独創的・先端的な学術研究を生み出すための基盤として、研究者が必要とする学術情報を迅速・的確に提供するとともに、我が国の優れた研究の成果を国内外に普及するための学術情報基盤の整備を図ることが重要となっている。

このため、文部省では、学術情報センターを中心に、国公私立大学等の図書館や情報処理センター等を結合する、全国的・総合的な学術情報システムの整備を積極的に進めている(2-7-3 )。

2-7-3 学術情報システムの仕組み図


(1) 学術情報ネットワークの高速化による学術情報流通の促進

学術情報センターでは、国公私立大学等を相互に接続する我が国の基幹ネットワークである学術情報ネットワークを構築・運営するとともに、各種データベースの検索サービス等を提供している(2-7-4 )。平成7年度には、学術情報流通を一層促進するため、主要幹線の回線速度を50Mbps(1Mbps(メガビット/秒)は1秒間に100万ビット(新聞約5ページ分)を伝送可能な回線速度。)に、その他の幹線を6Mbpsに、また、米国との国際接続も6Mbpsに大幅に高速化する。


(2) キャンパス情報ネットワーク(学内LAN)の整備

文部省では、大学等の学内の各種コンピュータと研究室等の端末機器を高性能の通信回線で接続するキャンパス情報ネットワーク(学内LAN)の整備を昭和62年度から進めてきた。平成6年度をもって移転予定のある5国立大学等を除き、すべての国立大学・大学共同利用機関に学内LANを整備した。

学内LANにより、文字、数値、画像等多様な情報の全学的流通を促進することができる。さらに、学内LAN相互を高速に接続する学術情報ネットワークを介して、研究者は居ながらにして国内の大学はもとより諸外国の研究者との迅速な研究情報の交換も可能となる。

2-7-4 学術情報ネットワーク概念図


(3) 大学図書館機能の強化・高度化による情報サービスの充実

大学図書館は、大学等の学術研究・教育を支える重要な情報基盤の一つであり、学内LANなどの情報基盤の整備が急速に進む中で、その広範な情報資源の有効利用が必要とされている。このため、平成5年12月に学術審議会学術情報部会から「大学図書館機能の強化・高度化の推進について」が報告され、情報化の進展等の中で一層充実したサービスを実現するための具体的な方策等が示された。これを受けて文部省では、休日開館や学外者への公開の促進、電子的情報資料の整備などに努めるとともに、学内LANを介したCD-ROM検索など、新しい情報サービスの充実を図ることとしている。特に、我が国の大学図書館機能の強化・高度化のモデル図書館として、奈良先端科学技術大学院大学に、電子図書館を整備する。この電子図書館は、学内の研究成果等を電子化し、マルチメディアを用いて学内LANを介して学内外の研究者等へ迅速に提供するものである。

また、学術情報センターでは、全国の大学等の図書館が所蔵資料の目録を共同で作成するシステムや、オンラインで図書館資料の相互貸借業務を行う大学図書館間相互貸借(ILL)システムの整備により、図書館サービスの効率化・迅速化を図っている。


(4) データベースの整備充実の推進

大学等の研究者が必要とする学術情報を迅速・的確に利用し得るデータベースの整備充実のため、文部省では、学術情報センターをはじめ国立大学等におけるデータベースの作成を進めるとともに、学会や研究者グループによるデータベースの作成を科学研究費補助金により助成している( 第II部第11章第2節参照)。


(5) 研究成果の普及

学術研究の成果の公開は、学術の振興や国際交流等に貢献するものである。文部省では、学会誌及び学術図書の刊行、学術図書の外国語への翻訳のための経費等について科学研究費補助金により助成している。また、「大学と科学」公開シンポジウムを開催し、大学等における独創的・先端的な研究成果を広く社会に公開するとともに、学会が青少年・社会人を対象として開催するシンポジウムに助成している。平成7年度からは、学会が諸外国のトップレベルの研究者の参加を得て日本国内で開催する国際会議に対して助成する。


(6) 学術用語の制定・普及

難解で多様な学術用語を整理統一するとともに平易簡明にすることは、学術の進歩・普及に重要である。文部省では、関係学会の協力を得て、平成6年度において計測工学用語を改定するなど、これまで30の各専門分野の学術用語を制定し「学術用語集」として編集・刊行している。


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