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2部   文教施策の動向と展開
第3章   初等中等教育のより一層の充実のために
第4節   体育と健康教育
2   心とからだの健康を保つために



(1) 健康教育の充実

近年の都市化、情報化、核家族化、少子化など社会環境の急激な変化は、子どもの心身の健全な発達に様々な影響を与えている。また、国民の健康に対する関心が一層高まってきており、心身の健康の保持増進を図るために必要な知識及び態度の習得に関する教育である健康教育がますます重要になってきている。学校においては、生涯を通じて健康で安全な生活を送るための基礎を培うこととなっており、保健、安全、給食の各分野にわたる指導が、「体育」、「保健体育」等の各教科、「道徳」、「特別活動」など教育活動全体を通じて実施されている。


(2) 当面する健康問題への対応
(ア) エイズ教育の充実

エイズは、近年、世界各国で爆発的に増加し、我が国においても若い世代を中心に感染が広がりつつあるなど、今後の蔓延が危惧される状況にある(2-3-1 )。このため、児童生徒の発達段階に応じて正しい知識を身に付けさせることにより、エイズを予防する能力や態度を育てるとともに、エイズ患者・感染者に対する偏見や差別を除き人間尊重の精神を育てることが重要である。文部省では、小・中・高校生用教材及び教師用指導資料の作成・配布、教職員の研修、エイズ教育推進地域の指定によるエイズ教育の実践研究等を行っている。平成7年度からはエイズ教育情報の全国的な普及と活用を図るため、「エイズ教育情報ネットワーク整備事業」を実施することとしている。


(イ) 健康診断の見直し

近年の児童生徒等の健康上の問題の変化、医療技術の進歩、地域における保健医療の変化などを受けて、児童生徒等の健康診断の項目等を見直し、平成7年度から胸囲測定の削除や心電図検査の追加などが行われ、新たな検査項目による健康診断が行われている。

また、予防接種制度の見直しが行われ、予防接種の接種義務から努力義務への緩和、bcgを除く予防接種の個別接種の推進、予防接種による健康被害についての救済措置の充実などの法改正が行われ、平成6年10月から施行された。これに伴い、学校における健康診断や予防接種が適切に実施されるよう指導の徹底を図っている。


(ウ) 心の健康相談活動の充実

近年、学習面、いじめなどの友人関係、家庭事情などについて様々な訴えを持つとともに、これらを背景として、心因性の頭痛、不快感など種々の症状を訴えて保健室を訪れる児童生徒が増えていることなどから、適切なカウンセリングや心の健康に関する保健指導が必要である。このため、「保健室における相談活動の手引」の作成や、養護教諭に対する「ヘルスカウンセリング指導者養成講座」等の研修会を通じて指導の充実を図っている。

2-3-1 我が国におけるエイズウィルス患者・感染者の年齢構成(平成7年4月末現在)


(3) 安全教育の充実

現行学習指導要領では、保健体育において交通安全や応急処置に関する内容を充実するとともに、「中学校安全指導の手引」についても改訂を行い、防災教育を含む安全指導の一層の充実を図っている。交通安全に関しては、高等学校における実技を含めた二輪車に関する指導の内容・方法について実践的な調査研究を行う「二輪車研究指定校」を指定している。応急処置については、各都道府県において、高等学校及び中学校の保健体育の担当教諭を対象に、心肺蘇生法等の技能研修を行っている。

防災訓練の風景(静岡県小山町立須走中学校)


(4) 給食指導の充実
(ア) 学校給食の役割と現況

学校給食は、栄養のバランスのとれた食事を提供することにより、児童生徒の健康の増進、体位の向上及び正しい食習慣の形成を図るとともに好ましい人間関係を体得させるものである。近年、不規則な食生活や偏った食事内容など、食に関連する児童生徒の健康問題が指摘されている中、ますますその役割が重要になっている。平成6年5月現在、全国で約1,253万人の幼児児童生徒が学校給食を受けている(2-3-2 )。


(イ) 学校給食指導の充実と栄養教育の推進

「学校給食指導の手引」の活用や研修会を通じて、給食指導の一層の充実を図っている。また、教科や特別活動等と連携した栄養教育を推進するため、学校給食や学校栄養職員の専門性を活用した栄養教育の在り方について実践的な調査研究を行う「栄養教育推進モデル事業」を平成6年度から開始した。


(ウ) 食事内容の多様化と米飯給食の推進

各学校では、郷土や姉妹都市の料理を給食の献立に活用したり、各自が自主的に献立を選択できるバイキング給食、複数献立など様々な取組が行われ、食事の内容や方法の充実、多様化が進められてきている。また、食事内容の一層の充実を図るため、所要栄養量の基準等の改定を行った。

米飯給食については、食事内容の多様化を図るとともに、日本人の伝統的食生活の根幹である米飯の正しい食習慣を身に付けさせる見地から教育上有意義であり、昭和51年度から学校給食に導入して計画的に推進している。平成6年度の平均実施回数は、週2.6回に達している。

2-3-2 学校給食実施率(幼児児童生徒数比)(平成6年5月1日現在)


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