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2部   文教施策の動向と展開
第3章   初等中等教育のより一層の充実のために
第3節   一人一人を大切にする生徒指導・進路指導を目指して
4   進路指導の改善・充実



(1) 中学校における進路指導の改善

進路指導は、生徒が自らの生き方を考え、将来に対する目的意識を持ち、自分の意思と責任で自分の進路を選択決定する能力・態度を身に付けることができるよう、指導・援助することである。

しかしながら、中学校における進路指導は、偏差値が極めて便利な物差しであったことなどの理由により、業者テストによる偏差値等に過度に依存したものとなり、大きな問題となっていた。

このため、文部省としては、平成5年2月に、各都道府県教育委員会等に対し通知を出し、中学校の進路指導は業者テストによる偏差値等への依存を改め、生徒一人一人の能力・適性等を踏まえた本来の進路指導に立ち返るよう求めた。さらに、この趣旨を徹底するため、都道府県教育委員会の関係者を集めた会議や中学校の教員を対象とした研修会を開催するとともに、進路指導の改善に参考となる具体的な事例を掲載した指導資料を作成した。

現在、各都道府県においては、業者テストの偏差値等に依存しない進路指導に向けた取組が進められている。

これからの進路指導の在り方を考える場合、単に業者テストを使わないということだけでなく、人間としての在り方生き方に関する指導という観点に立って、中学校の3年間を通じて計画的、継続的、組織的な指導・援助を行っていく必要がある。そのためには、特に次のような点に留意することが重要であると考えられる。

1) 生徒に、将来の生き方について多様な選択が可能であることを理解させ、生徒が自らの進路を探索しようとする意欲や態度をしっかりと指導・援助すること。
2) 生徒が、自己の将来の生き方に照らして、上級学校で学ぶ意義を理解し、目的を持って、進学したい学校を選択するよう指導・援助すること。
3) 生徒が具体的な志望校を選択するに当たっては、日頃の学習成績に基づいて助言し、志望の実現に向けて努力する過程を指導・援助すること。
4) 生徒が、進学志望校の選択を含め、将来の生き方を自己の意思で選択し、自分自身で責任を負うことができるよう指導・援助すること。

進路指導を充実するためには、このような視点に立って、生徒に高等学校の訪問・見学、体験入学をさせたり、様々な職業の現場を見学・体験させたり、社会の各分野で活躍する人々を学校へ招いてその体験談を聞く機会を設けるなど、生徒の進路に関する啓発的な経験を充実させることが大切である。

このため、文部省では、平成6年度から、進路に関する啓発的な経験等を地域ぐるみで推進し、入学当初から3年間にわたり、系統的、計画的な進路指導が行われるための実践的な研究として、「中学校進路指導総合改善事業」を全国59地域で実施している。

また、文部省では、進路指導の改善と併せて、高等学校入学者選抜の改善を図るとともに、総合学科や単位制高校の設置など高等学校教育の個性化・多様化を進めている。


(2) 高等学校における進路指導の改善

高等学校における進路指導については、進学先の選定や就職先の紹介・あっせんのための指導に陥っているとの指摘がある。

高等学校においては、中学校の進路指導の改善を踏まえ、人間としての在り方生き方の指導を一層充実し、生徒が自らの意思と責任で進路を選択決定する能力・態度を育成することができるよう指導していくことに重点を置くことが必要である。

そのためには、高等学校卒業後就職する生徒はもちろん、大学等に進学する生徒についても、自己の将来の進路を主体的に選択することができるよう、働くことや社会に奉仕することの喜びやそれによって得られる達成感を体得させる学習を行うことが重要である。

このため、文部省では、平成5年度から、高等学校の普通科の生徒を主たる対象として、「勤労体験学習総合推進事業(愛称lets)」を全国5地域で実施している。これは、働くことや社会に奉仕することの喜びを体験させることを通じて、将来の生き方や職業選択を視野に入れた進路の自覚を高めることを目的としたものである。この事業においては、実施校である高等学校を中心として、一定地域のpta、地元企業等が連携・協力を図り、職場見学、奉仕活動等を実施している。


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