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2部   文教施策の動向と展開
第3章   初等中等教育のより一層の充実のために
第1節   主体的に生きる力を育てる教育の展開
4   豊かな科学的素養の育成と環境教育の推進



(1) 豊かな科学的素養の育成

近年、科学技術への興味・関心の低下など、科学技術離れの傾向が指摘されている。しかし、我が国の社会・経済の発展は科学技術の進展に支えられてきたところが大きく、その中で理科教育の役割は極めて大きなものがあり、その一層の充実に努めていく必要がある。

文部省としては、理科については、従来から一貫して、観察・実験を通して自然に対する科学的な見方や考え方、関心・態度などの育成を重視する観点から内容の改善に努めてきた。現行の学習指導要領においても、観察・実験を一層重視するとともに主体的な探求活動、問題解決的な学習が充実するよう、小・中・高等学校を通じてその改善を図った。

このため、文部省では、学習指導要領の趣旨の実現を図るため、講習会の開催や指導資料の刊行に加え、理科教育設備基準を改訂し、実験用機器の計画的な整備充実を進めている。

さらに、平成7年度は、理科教育の一層の充実を図るため、新たに次の事業を実施している。

1) 観察実験指導力向上講座の開催(5会場 250人) 小・中・高等学校理科教育担当教員の観察・実験等に関する指導力向上等を図るための講習会を開催する。
2) 教育センターに対する理科教育設備の整備(3センター) 地方において教員研修の中核となる教育センターに対して、新しい理科教育設備基準に基づいた理科教育設備の整備を行う。
3) 科学学習センターの設置(3か所) 児童生徒の科学的な体験学習活動を促進するための科学学習センターを、市町村単位程度の一定地域に整備する。

今後、各学校においては、ややもすると知識の伝達に偏りがちであると指摘されている授業の在り方を見直し、児童生徒の主体的な探求活動を重視し、自ら学ぶ意欲や主体的な学習の仕方を身に付けさせるものへと変えていくことが望まれる。

塩化銅水溶液の電気分解(愛知県刈谷市立雁が音中学校)


(2) 環境教育の推進
(ア) 学校教育における環境教育の意義と現状

地球的規模の環境問題や都市・生活型公害などの解決に向けて、現在、世界的に取組が進められている。我が国においても、環境基本法に基づき、平成6年12月に環境基本計画が策定され、各種の施策を総合的に進めることとされ、その中で環境教育・環境学習を推進することが示されている。

このような状況の中で、学校教育においては、従来から、児童生徒の発達段階に即して小・中・高等学校を通じて、社会や理科、保健体育などの教科等の中で環境に関する学習が行われてきている。

現行の学習指導要領においても、環境を大切にし、より良い環境づくりや環境の保全に配慮した望ましい行動がとれる人間を育成するといった視点を重視して、各教科等の指導内容の一層の充実を図っている。


(イ) 環境教育推進のための施策

各学校では、身近な地域の環境問題の学習や豊かな自然環境の中での様々な体験活動を通して、自然の大切さを学ぶ学習など各種の取組が進められている。文部省としては、これらの取組を支援し、環境教育の一層の振興を図るため次のような施策を実施している。

・教師用指導資料の作成

平成2年度「中学校・高等学校編」作成・配布
平成3年度「小学校編」作成・配布
平成6年度「事例編」作成・配布

・環境教育推進モデル市町村の指定(8市町)
全国環境教育フェアの実施 【用語解説】
・環境教育担当教員講習会の実施
環境のための地球学習観測プログラム(globe) 【用語解説】モデル校の指定(中学校21校)(平成7年度から)

<全国環境教育フェア>

全国環境教育フェアは、地球的規模の環境問題や都市・生活型公害問題の解決に向けて、幅広く環境教育の普及・充実を図るため、環境教育の在り方等についてのパネルディスカッション・研究協議、環境問題に関する各種活動の成果発表・展示会等を行う事業である。第1回は平成6年度に埼玉県で実施し、7年度は福岡県で実施した。


<環境のための地球学習観測プログラム(GLOBE)>

GLOBE(環境のための地球規模の学習及び観測:Global Learning and Observations to Benefit the Environmentの略)計画は、学校において児童生徒が主体となり、環境観測と世界的な環境データの共有を行うことを中心とした国際的な環境教育のプログラムである。1994(平成6)年のアースデイ(4月22日)に米国によって提唱され、平成7年8月末現在26か国が参加を決定している。文部省では、GLOBE計画に参加するため、東京学芸大学を中央センターとして、中学校21校をモデル校として指定している。


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