ここからサイトの主なメニューです
前(節)へ  次(節)へ
1部   新しい大学像を求めて-進む高等教育の改革-
  資料 諸外国の大学改革

欧米諸国では高等教育の大衆化に伴い、学生の多様化、教育・研究の質の低下、財政負担の増大などへの対応が共通の課題となっている。

社会・経済の発展による高等教育への期待の増大、国民生活の向上による進学意欲の高まりなどを背景として、また、政府が拡大政策をとったことにより、欧米諸国の高等教育は拡大を続けてきた。アメリカでは、1960年代から70年代にかけて急速な拡大が始まり、1991年に高等教育への進学率は49%に達し、パートタイムの学生も含めると67%に達している。フランスでは、1985年に政府が後期中等最終学年の到達者を同年齢人口の80%にまで増加させるという方針を出し、高等教育進学者の増加を図った。イギリスでも、1987年、「高等教育白書」を発表し、高等教育進学率を引き上げる政策を推進した結果、80年代初めの20%余りから90年代には40%以上に上昇した。ドイツでも、拡大政策がとられて在学者が増加し、高等教育機関の収容力不足の状態が続いている。

大学の大衆化に伴う学生の多様化は、大学教育の在り方に再検討を促している。アメリカやフランスでは、学生の多様なニーズに合わせ、アカデミックな教育だけでなく、職業志向の教育を取り入れている。また、フランスやドイツのように大学以外の高等教育機関を拡大するなどの傾向も見られる。

大学における教育・研究の質の確保にも大きな関心が払われつつある。イギリスでは、研究については1986年から、教育については1993年から、高等教育財政審議会による大学評価が行われており、評価結果は補助金の配分にも反映される。アメリカでは、専門団体が大学の評価・認定を行う基準認定(アクレディテーション)制度が教育・研究の質の維持・向上に大きな役割を果たしてきたが、従来の教育条件中心の評価に加えて教育成果の評価を重視するなどの改善が検討されている。また、近年、州による州立大学の評価も行われるようになっている。

財政負担の増大への対応も大きな課題であり、アメリカやイギリスでは、大学は財源確保のために民間資金の活用や運営の効率化などの自助努力を求められている。

このようにアメリカ、イギリス、フランス、ドイツでは共通する課題を有する一方、それぞれの高等教育の歴史や構造などを背景とした固有の問題を抱え、これに対処する改革を進めている。

また、市場経済への移行という大きな社会変革を経験しつつあるロシアと中国では、計画経済に基づく従来の高等教育制度の抜本的な改革が進められている。


前(節)へ  次(節)へ

ページの先頭へ   文部科学省ホームページのトップへ