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1部   新しい大学像を求めて-進む高等教育の改革-
第4章   大学改革を更に進めるために
第4節   大学の新しい姿に対する社会の理解をどう求めていくか


これまで、大学等の高等教育機関は入学者選抜の難しさや卒業時の就職の実績で評価されることが多かった。しかし、企業をはじめとする社会も次第に変化している。大学等の外の社会の側で、研究機能を含めた大学等の評価も進んでいる。企業の採用も、学歴主義から能力主義に変化しつつある。特に、いわゆるベンチャービジネスなどでは、専門学校卒業者を短期大学や大学卒業者と同等に待遇し、実力主義を徹底しているところもある。

一方、学生の進学選択についても、入学試験の偏差値や大学等の立地条件から、教育内容など大学等の内容をより重視するようになっている。大学等を選ぶ際に、受験生や高校の教員が大学等の教育内容等についての情報を求めていることが、その端的な表れである。

また、これからの大学等は、若者だけのものではなく、より広い年齢層の人々に開かれ、人生のいつでも希望する時期に学習できる場になっていくことが予想される。社会経験を積み、ボランティア活動などを通して問題意識や学習意欲ができた時に、いつでも大学等の門は開かれているという姿に近づいていくであろう。また、フルタイムの学生ばかりでなく、パートタイムで学習する学生ももっと増加し、仕事や社会生活を通して生まれてきた生きた問題意識が、他の学生だけでなく、教員の授業にも緊張感をもたらし、より深みのある生きた学問の場が生み出されていく可能性もある。さらには、大学院も、社会人にとって一層身近なものになっていくであろう。

高等教育は、人類を進歩と繁栄へと導くための投資である。経済社会の変化が急激であればあるほど、大学等の高等教育機関は、幅広い、長期的な視野に立って、社会への貢献を考えていくことが必要である。

今、大学等は、高等教育をめぐる社会の変化と期待の高まりを踏まえ、より魅力ある教育研究の場として改革のための努力を重ねている。社会の期待にこたえる高等教育の改革がより一層適切で実効あるものとなるためには、大学等の関係者はこのような高等教育の変化が社会において積極的に受け止められ、正当に評価されるよう、大学等が積極的に働き掛けていくことが重要である。

そのためには、各大学等において、高等学校関係者を含め進学を希望する人々や、卒業者を採用する企業、大学等における研究内容に関心を持つ研究機関等に対し、積極的な情報提供を行っていく必要がある。自己点検・評価結果の公表を進めるとともに、その方法を工夫し、それぞれの大学等の教育理念、カリキュラムとその特色、学生への配慮、教員スタッフやその研究業績等について分かりやすく整理し、大学等の取組に対する評価と批判を積極的に求めていく姿勢が必要である。また、学外の有識者に、参与等の形で大学等の運営に参加してもらうことは、大学等に対する学外の評価を知るとともに、その改革努力に対する理解を求める上でも極めて有益である。大学等の関係者は、自ら意識変革を行うことにより、一層の改革に向けての努力と実績を積み重ねつつ、このような新しい高等教育の姿について、社会の理解と評価を得ていく努力が期待される。


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