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1部   新しい大学像を求めて-進む高等教育の改革-
第4章   大学改革を更に進めるために
第1節   多様化する学生にどう対応するか(新しい大学像の構築)
1   高等教育の将来構想について



(1) これまでの高等教育計画の歩み
(ア) 昭和50年代の高等教育計画

戦後、高等教育の量的整備は、昭和30年代の理工学系学生増募計画や40年代のベビーブーム対策等により行われてきたが、高等学校進学者の増大、産業界の人材需要の拡大等を背景として、国民の高等教育への進学意欲は上昇し続け、昭和50年度には、大学、短期大学及び高等専門学校(第4年次)への進学者は61万人、進学率は38.4%に達した。このような規模の急速な拡大に伴い、

1) 「マスプロ教育」等と批判されるような教育条件の低下
2) 大学の大都市への過度の集中と進学機会の地域間格差

といった問題が生じた。

これを是正するため、昭和50年代には、高等教育の計画的整備を進めることを目的として、いわゆる「昭和50年代前期計画(高等教育懇談会報告)」(昭和51〜55年度)、「昭和50年代後期計画(大学設置審議会報告)」(昭和56〜61年度)がそれぞれ策定された。これらの計画期間は、18歳人口がおおむね150〜160万人で推移する期間であり、両計画を通じて、量的拡大の抑制、私学の定員超過率の改善等による教育研究条件の改善、大都市における新増設の抑制等による地域配置の適正化等の観点から高等教育の整備を図った。


(イ) 昭和60年代以降の高等教育計画

昭和61年度以降、18歳人口は増加し、平成4年度の205万人をピークとして減少に転じ、平成12年度には150万人台に戻るという急激かつ大幅な変動が見込まれた。これを踏まえて、18歳人口急増期(昭和61〜平成4年度)における「昭和61年度以降の高等教育の計画的整備について(大学設置審議会報告)-昭和60年代計画-」と、急減期(平成5〜12年度)における「平成5年度以降の高等教育の計画的整備について(大学審議会答申)-現行計画-」が策定された。

昭和60年代計画では、整備の方向として、高等教育の質的充実、地域配置への配慮が挙げられたほかに、高等教育の量的整備として、18歳人口急増期においても一定の進学機会を確保するため、大学、短期大学及び高等専門学校の定員増を図ることとし、その際、平成5年度以降の18歳人口の急減を考慮して、定員増のうち一定数を期間を限った定員(いわゆる臨時的定員)増として対応することとされた。

さらに、現行計画においては、量的な拡大よりも質的な充実に力点を置いて整備することとされ、大学等の新増設等については、原則として抑制する必要があるとしている( 第II部第4章第1節参照)。これらの計画の進行により、高等教育機関の配置の地域間格差の是正が徐々に進んでいるほか、高等教育の質的充実が図られている。また、時代の動向を反映して、情報関係、社会福祉関係、医療技術関係等人材養成の需要の大きい分野の学部・学科が多く新増設されている。


(2) 高等教育の将来構想についての検討

18歳人口は、平成4年度のピークの後、減少を続け、12年度に151万人、22年度には121万人になることが予想されている。一方、7年度における大学・短期大学志願率は54.2%、進学率は高等専門学校(4年次)を含めると45.8%、さらに、専門学校を含めると64.7%に達しており、近年、急速に伸びている。このような傾向を踏まえると、今後も志願率や進学率は上昇し、日本は世界でも数少ない高等教育の大衆化時代を迎えることが予想される(1-4-1 )。

また、高等教育の普及が進む一方で、それを取り巻く情勢は大きく変化している。生涯学習ニーズの高まりは、学生やその履修形態を一層多様なものにするであろうし、国際化・情報化の進展は大学等における教育研究の在り方に大きく変革を迫ることも予想される。このような高等教育の一層の普及や社会経済の急激な変化、学問の動向を踏まえると、平成12年度以降の高等教育の将来構想について、十分な検討が必要になっている。このため、現在、大学審議会において、高等教育の将来構想について、次のような視点から、広範な議論が進められている。

1) 高等教育の大衆化をどうとらえるか、特に、最近の志願率や合格率の上昇に支えられて、今後、大学・短大への進学率が50%を上回る可能性もあり、このような状況での高等教育の姿をどうとらえるか。
2) 我が国が引き続き社会の活力を維持し、国民生活の向上を図っていく上で、広く国民に高度の教育を受ける機会を提供できるようにすることが大切であり、この面における高等教育機関への期待が高まっていること。志願率の上昇に見られるように国民の高等教育志向がかつてなく高まっていることなどを踏まえ、平成12年度以降の高等教育におけるいわゆる質の問題をどのように考えるか。
3) 産業構造や就業構造の変化、あるいは学問の進展に対応して、高等教育における人材養成はいかにあるべきか。
4) 地域配置の関連で、どのように高等教育機関の発展を図るか。地方への配置とともに、首都圏、近畿圏等の新増設の原則禁止の取扱いをどうするか。

このような視点を含めて、21世紀初頭を見通した高等教育の在り方について、多方面から検討を進めることにより、新しい大学像を構築していくことが、改革を更に進める上での大きな課題となっている。

1-4-1 高等教育の規模等の推移


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