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1部   新しい大学像を求めて-進む高等教育の改革-
第3章   高等教育の財政はどうなっているのか
第2節   諸外国と比べてどのような違いがあるか
2   我が国高等教育の一層の充実のために


大学等が、今後、それぞれの特色を生かしつつ改革を推進し、期待される機能を十分発揮するためには、その基礎的条件として、財政基盤を充実することが極めて重要な課題である。

この点については、厳しい財政事情の中にあっても徐々に改善の努力がなされてきてはいるものの、我が国の高等教育費に占める公財政支出の割合は、先に見たとおり欧米諸国に比較するといまだ低い水準にとどまっている。高等教育が社会の発展や国民生活の向上に果たす役割を考慮すると、高等教育に要する経費を幅広く社会全体で負担するという観点からも、公財政支出の一層の充実に配慮する必要がある。

また、民間資金等の導入を一層促進することも重要な課題である。各大学等に対する民間資金の導入の促進は、教育研究活動や運営面における大学等の自己努力を促すものであり、その自主的な財政基盤の強化と充実に役立つものである。このような観点から、今後とも、民間資金を導入するための仕組みの拡充等を進める必要がある。

財源の確保と並んで重要なことは、限られた財源の有効活用である。特に公財政支出については、その配分の効率化・重点化が不可欠であり、その視点としては、各大学等における教育研究の質的な充実の状況等が重視されるべきであろう。このような視点に立った財政的支援措置を更に充実していくことが重要な課題となっている。

国立大学等における施設の整備充実

近年、国立大学等の施設等の老朽化・狭隘化が顕著になり、大学関係者だけでなく、産業界等からも強い危機感が表明され、その状況については、国会で取り上げられたほか、新聞、テレビ等でもしばしば報道されている。文部省が平成7年に民間の調査機関に委託して実施した調査の結果においても、大学院学生等の実験・研究用の機器などの設備や施設に関して、全般に不備を訴える声が強いが、その割合は国立大学、とりわけ大学院学生において高くなっている(1-3-5 )。これは、

1) 昭和50年代後半以降の国の予算の厳しい抑制のため、施設整備費が一時期に比べ大きく減少する一方で、
2) 昭和30年代後半の高等教育の拡大期に建てられた建物の老朽化が進むとともに、
3) 近年における教育・研究の多様化・高度化による要請への施設面での対応が困難となっている

ことによるものである。

これに対し、文部省では昭和63年度以降、老朽・狭隘建物の解消や多様化・高度化に対応するため、基準面積改定を含め積極的に施設整備のための予算の増額を図っている。平成7年度当初予算においては、1,371億円を措置し、ピーク時の昭和54年度の88.7%までに回復を図るとともに、平成4年度以降の補正予算においては、施設整備費の格段の確保に努めているところである。

また、この間、平成4年度には、国立学校特別会計に特別施設整備資金を設置し、これを財源として施設の老朽化、狭隘化の解消を図るための特別施設整備事業をスタートさせたところである。これは、国立大学等の移転跡地の処分益を資金財源として、毎年200億円の規模で施設の老朽化・狭隘化を計画的に解消しようとするものであり、現在、第1次5か年計画が進行中である。

しかし、国立大学等の施設整備はまだまだ遅れており、今後とも資金の確保に努め、既に述べたとおり、老朽施設の解消はもとより、防災対策を含め新たなニーズに対応した施設整備のための施策を推進していく必要がある。

1-3-5 現在通学する大学の実験・研究用の機器などの設備・施設に関する満足度

1-3-6 国立学校文教施設整備費予算額の推移


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