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1部   新しい大学像を求めて-進む高等教育の改革-
第2章   大学が変わり始めた
第3節   開かれた大学づくり
3   大学と社会のコミュニケーションが活発になってきた



(1) 大学からの情報発信

今日、大学は社会の一員、コミュニティの一構成員として、地域社会との活発なコミュニケーションを通じて積極的に地域社会にかかわり、貢献を行っていくことが求められている。

このため、各大学においては、社会に開かれた大学づくりを目指して、自らの教育理念、教育内容等の大学情報を積極的に社会に発信するようになってきた。大学パンフレットの発行や、雑誌等への紹介記事の掲載等のほか、先に述べたようなシラバス集や自己点検・評価に係る報告書等の公表も行われている。多くの大学では、これらの報告書等を、所在する都道府県内の高等学校や公立図書館、教育委員会等に送付すること等により、大学に関する情報を広く一般に提供するとともに、大学に対する社会の理解の促進を図っている。

また、平成5年秋からは、大学入試センターの「ハートシステム」により、各大学の入試情報に加え、大学の特色や教育内容、大学改革の進捗状況等について、各大学が情報を提供し、高等学校や図書館等に設置された端末を通じて、より容易に大学情報にアクセスできるようになっている。


(2) 学外の意見の反映

大学の状況についてより客観的な点検・評価を行うため、自己点検・評価を更に進めて学外の有識者に対し大学の評価を求め、さらに、その結果を公表する事例も見られる。平成6年10月現在、5大学の9部局において、このような第三者による外部評価が行われ、結果が公表されている。

また、各大学の抱える課題、将来構想等についてより幅広い観点から検討するため、外部の有識者を含めた懇談会を設置する大学も増加してきている。さらには、卒業生を毎年多数採用している企業等を対象に、大学に対する意見・評価・希望等についてアンケートを行い、企業から見た大学像を把握することにより、今後の改革の基礎資料とする試みも見られる。

(財)大学基準協会は、我が国の大学の質的向上を図ることを目的として従来から協会の維持会員校としての適格性の審査を行ってきたが、平成8年度から維持会員校に対する定期的な相互評価を開始することが予定されている。

大学は外部からの評価を受け止めることにより、それぞれの大学に求められている社会的要請を具体的に把握し、改善すべき課題を一層明確にすることができるとともにそれを大学改革にフィードバックすることを通じて、組織の活性化を図ることができる。また学外の関係者等にとっては、各大学に対する理解が深められ、大学との連携・協力関係の一層の発展につながることが期待される。

ハートシステムによる大学情報の提供(大学入試センター)


(3) 産業界や地域との連携
(ア) 産業界との連携

今後とも我が国経済の活力を維持していくためには、絶えざる技術革新等により、新規分野の開拓に努めることが必要不可欠であり、このような技術革新を生み出すためには、大学と産業界との連携が極めて重要である。また、産業界との活発な交流は、大学にとっても教育研究条件の充実や大学の活性化を図るために有意義である。このような観点から、先に述べたような連携大学院や、職業人に対するリフレッシュ教育の推進をはじめとして、近年、様々な方策を通じた両者の連携が進められている。

特に、特定の教育分野における教育研究組織の運営を目的として、企業をはじめ民間からの寄附を受け入れ、その寄附金をもって担当教員の給与、研究費、学生研究費等を支弁する「寄附講座」や「寄附研究部門」を設置する大学が増加している。これにより、国立大学等においては、平成6年度に、23大学1大学共同利用機関において57講座・部門が開設されている(1-2-29 )。


(イ) 地域との連携

大学が地域社会に根ざした個性的で、特色ある発展を遂げていくためには、地域における教育研究の中心としての役割を果たすとともに、その人的・物的資源を最大限に生かし、地域に対してニーズに応じた積極的な貢献を行っていくことが必要である。

近年、地域や住民等のニーズにこたえるため、大学施設等の開放や、生涯学習の場としての公開講座の開設、教育委員会等の実施する生涯学習関連事業に対する協力等を行う大学が増加している。特に、公開講座については、平成5年度において、全体の8割を超える452大学が開講しており、開設講座数は4,590講座、受講者数は54万4,101人に上っている。その内容も、一般的な教養を高めることを目的としたものや、職業に直接関連するものなどのほか、「子供のための冒険学校」、「ハウステンボスは佐世保に何をもたらしたか」、「京都市の交通問題」のように、大学や地域の特色を生かしたユニークなものも見られ、多様な構成となっている。

1-2-29 寄附講座・寄附研究部門の設置数の推移


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