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2編 文教施策の動向と展開
第9章 国際化の進展と教育・文化・スポーツ
第4節 留学生交流の推進
3 海外留学援助体制の整備



(1) 海外留学の現状

近年,国民の所得水準の向上,円高等の経済的要因や大学問交流の活発化等により,我が国の学生で外国の大学等に留学する者が増加してきている。日本人学生の海外留学に関する正確な調査データはないが,例えば,法務省出入国管理統計によれば,平成3年に「留学,研修,技術修得」の目的で海外に出国した日本人は1万362人であり,対前年比1.0%の滅となっている。これを渡航先別に見ると,その約80%が欧米諸国となっている。

また,上記統計では留学先の教育機関が不明であるが,諸外国の高等教育機関に在籍している日本人留学生については,ユネスコ統計年鑑(1991年版。米国についてはOPEND00RS1990/1991)によれば,主要50か国ではあるが,3万7,230人となっている。近年の留学先国の動向を見ると,米国,中国,韓国への留学者が急増している (表2-9-13)

2-9-13 主な海外留先国


(2) 海外留学に関する施策

文部省では,特定の政策目的を達成する観点から次のような国費による日本人学生の海外派遣制度を設けている (表2-9-14)

このほかの公的留学制度としては,外国政府等の奨学金によるものがあり,毎年300人程度の日本人学生等が留学している。文部省は,その募集・選考に協力している。

2-9-14  海外派遣制度

こうした公的留学制度によるもの以外には,個々の自由な選択と責任において行われるいわゆる私費留学があり,これが海外留学のほとんどを占めている。文部省では,(財)日本国際教育協会の留学情報センターを通じて,留学希望者がそれぞれの目的に適した留学先の選択を行い得るよう,適切な留学情報の提供に努めている。

また,高校生の留学については,昭和63年4月に高等学校における留学が制度化され,これより,高等学校の生徒が,在学する高等学校を休学又は退学することなく外国の高等学校において教育を受け,その履修を国内の高等学校の単位として修得することができるようになって以来,その数が増加しつつある。

留学制度発足以前の昭和61年度では,3か月以上にわたって外国の高等学校で学習した留学生の数は,3,165人であったものが,平成2年度には,4,483人となっている。なお,3か月未満の期間,語学学習やホームステイを行うことを目的とした海外学習旅行は,急激に増加しており,昭和63年度に1万7,713人であったものが,平成2年度には3万1,284人となっている。

海外留学又は短期の海外学習旅行(以下,「海外留学等」という。)は,それが円滑かつ安全に実施されれば,国際理解,異文化理解の増進という観点からも大変意義深いものであるが,留学等を希望する学生等の増加に伴い,留学に関する目的意識が明確でない場合,ホームステイ先のホストファミリーの実情についての情報が十分でない場合,留学先でのトラブルや困ったときのための備えや必要最低限の語学力などが十分でない場合,留学斡旋事業者の配慮が十分でない場合等に,留学先や留学斡旋事業者との間で様々なトラブルが発生するなど各種の問題が指摘されている。

特に,こうした海外留学等の大半が,海外留学等の斡旋を行う事業者の用意したプログラムを利用していることもあり,当該斡旋事業者に対する指導の強化等が強く求められていた。

このため,平成2年12月より,学識経1験者や学校関係者からなる「海外留学等斡旋プログラムに関する調査研究協力者会議」(座長 野口薫千葉大学学生部長)において,海外留学等を行う者が利用する民間斡旋事業者のプログラムに関し,教育的観点から見たその望ましい内容について調査研究を行い,平成4年4月に「海外留学等の望ましい内容等について」(報告)を取りまとめた。

この報告では,海外留学等はそれが円滑かつ安全に実施されれば,国際理解,異文化理解の増進という観点からも意義深いとした上で,海外留学を希望する生徒等が問題にあうことなく所期の目的を達成できるよう,1)海外留学等斡旋プログラムに関するガイドラインの策定,2)海外留学希望者等のためのチェックリストの作成,3)海外留学等斡旋団体等の連携システムの整備等が必要であるとしている。

文部省では,大学,各都道府県知事,教育委員会,留学関係団体等に対して,この報告の内容について通知した。

さらに,文部省では,高等学校における留学希望生徒への指導が適切に行われるよう,その在り方等について解説した手引を作成しているところである。また,平成3年度から各都道府県教育委員会の高校留学の担当者による「高校生海外留学等推進担当者会議」を開催し,高校生の留学等についての全国レベルでの情報交換を行うとともに,「高校生海外留学等研究協力校」を指定し,高等学校における安全で円滑な海外留学の実施及び外国人留学生の円滑な受入れの推進に資するための実践的な研究を行っている。

また,平成4年6月には,高校生の海外留学等に関係する団体により「全国高校生留学・交流団体連絡協議会」が設立された。同協議会は,高校生を主体とする青少年の派遣及び受入れを行う団体間の連携を密にするとともに,高校生交流事業の健全な発展と交流ブログラムの充実を図ることとしている。


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