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2編 文教施策の動向と展開
第9章 国際化の進展と教育・文化・スポーツ
第2節 国際社会に生きる日本人の育成
2 外国語教育の充実


国際化の進展する中にあって,外国の人々との相互理解を深めるためのコミュニケーション能力の育成は極めて大切な課題となっており,特に近年,外国語教育に対する関心や期待も高まってきている。

中学校及び高等学校の外国語教育においては,外国語を聞くこと,話すこと,読むこと,書くことについて調和のとれた指導が行われるよう配慮しているところであるが,実際の指導においては,入学試験の影響や指導する教員の養成の実態等により,特に聞くこと,話すことについての指導が必ずしも十分でない面が見られ,外国語をコミュニケーションの手段として活用するという面で一層の改善を図る必要がある。

このため,新しい学習指導要領においては,中・高等学校の外国語教育について,コミュニケーション能力の育成や国際理解の基礎を培うことを―層重視することとし,例えば,中学校においては,週当たり授業時数を1時間増やして4時間とすることもできる措置を講じたり,高等学校においては,日常会話を学ばせる「オーラル・コミュニケーションA」,主に聞き取る能力を養う「同B」,発表したり話し合う能力を養う「同C」という新しい科目を設ける等の改訂を行った。

また,昭和62年度から文部省は,外務省及び自治省並びに地方公共団体と協同して,「語学指導等を行う外国青年招致事業(JETプログラム)」を実施している。この事業により,平成4年度には外国語指導助手として,アメリカ,イギリス,オーストラリア,ニュージーランド,カナダ,アイルランド,フランス,ドイツの8か国から3,108人を招致した (表2-9-2)

2-9-2  外国語指導助手国別招致人数(平成4年9月2日現在)

この事業は,外国語教育において大切な中・高等学校段階においてネイティブ・スピーカーから直接語学指導を受けることにより生きた言語を学ぶことができるなど,生徒のコミュニケーション能力の育成に大きな効果を上げており,今後とも,その充実に努めることとしている。

また,英語担当教貝の英語の運用能力及び指導力を高めるため,国外における研修の充実を図っており,平成4年度には,前年度に引き続き,アメリカ,イギリスへの2か月派遣事業(190人),6か月派遣事業(58人)を実施するとともに,イギリスへの12か月派遣事業を15人から24人に拡充した。

なお,国際化の進展に適切に対応するためには,英語以外の多様な外国語の教育についても重視する必要がある。そのため,平成3年度から外国語教育多様化研究協力校を指定し,実践的研究を行っているところである。

このように,外国語教育の充実のために様々な施策を講じているところであるが,最近の,教育面を始めとする国際交流の著しい進展に伴い,社会全般の外国語教育に対する関心や期待がとみに高まっており,また,新しい学習指導要領が,中学校については平成5年度から,高等学校については平成6年度から,実施に移される時期であるため,平成3年度がら「外国語教育の改善に関する調査研究」を実施し,広い観点から初等中等教育における外国語教育をめぐる様々な課題について検討を行っているところである。

大学・短期大学における外国語教育については,一般教育として全学生が履修するものと,外国語学部等における専門教育として外国語を教育・研究するものとがある。しかし,その内容・方法については,いずれも講読等の形態に偏重しているとの批判があり,会話等の実践的能力の育成をより充実することが求められている。このため,各大学においては,外国語センターの設置やLL機器の充実など,教育内容・方法について改善を図っている。

また,諸外国の政府と協力し,大学等におけるドイツ語,フランス語及び英語の教育担当教員を,外国で開催される語学教育研修会に参加させる事業を行っている(平成3年度49人を派遣)。

なお,大学等における外国語に関する授業科目の開設状況を見ると,英語,ドイツ語,フランス語が中心であるものの,近年,その他の言語についても開設が進んでおり,平成2年度現在,合計約50種の言語に及んでいる。


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