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2編 文教施策の動向と展開
第8章 文化の振興
第7節 文化施設の整備
2 地域の文化施設の整備



(1) 文化会館,劇場

コンサートホール,劇場等の機能を有する文化会館は,地域における文化創造の拠点施設として,地域住民に対し,音楽,演劇等芸術文化の鑑賞機会及び発表活動を行う場を提供するなど,国民の文化的生活の充実向上を図る上で重要な役割を担っている。近年,地域においては宮城県中新田町のバッハホールや,茨城県水戸市の水戸芸術館の例に見られるように特色,個性ある文化施設の建設が増加している。

文化庁では,従来から都道府県,人口10万人以上の市又は広域市町村圏の中心都市等が行う500席以上のホールを持つ公立文化会館の建設に対し,助成を行ってきたところである。昭和42年度に助成を開始して以降,平成3年度末までに319館に助成を行った。

国民の文化活動が活発になっている中で,文化創造の拠点としての文化会館の役割はますます重要になっている。今後とも地域の文化活動の実態とニーズに十分留意して,多目的文化会館とともに,コンサート専用ホールや演劇専用劇場等,施設の構造,音響,舞台設備等において優れた機能を有するジャンル別専用ホールの整備を進めていく必要がある。また,同時にこれら文化会館の自主事業の活性化が重要な課題となっている。


(2) 美術館

美術の展示等を行う美術館は,地方における美術の振興,普及に大きな役割を果たしている。

全国の美術館(博物館法による登録博物館又は博物館相当施設)の数は,社会教育調査によれば,平成2年10月現在,公立91館,私立159館,計250館であり,昭和62年度の公立86館,私立135館,計221館に比べ着実に増加している。

また,美術館の入場者数の推移を見ると,昭和49年度間に991万人であったが,昭和62年度間には2,169万人に増加し,更に平成元年度間には3,119万人と大幅に増加している。

各地の美術館では,美術作品等の収集に当たって,特定分野の作品について体系的,集中的に行ったり,地元作家に重点を置くなど,地域の実情や館の特色に即して行っている場合が多い。

今後とも各地の美術館の整備を奨励するとともに,学芸貝に対する研修や美術館運営者のための研究協議の場を設けるなど,美術館の運営面(ソフト面)の一層の充実が必要である。


(3) 博物館

文化財の調査研究,収集,保存,活用等を図る上で,全国各地に設置されている博物館の果たす役割は大きい。文化財の収集,展示等を行っているのは歴史博物館が中心的存在であるが,総合博物館においてもそのほとんどが歴史部門を有している。

これらの博物館の数は,社会教育調査によれば,平成2年10月現在,公立214館,私立133館,計347館である。

地域の文化財の展示については,館有品が十分とは言えないものが多く,博物館相互の連携協力が必要となっている。また,社会教育や学校教育において地域の歴史・文化の学習が重視されつつある今田,歴史等の学習の場として博物館を活用するための工夫が望まれる。


(4) 歴史民俗資料館

歴史民俗資料館は,地域の特色を示す民俗文化財や地域の歴史の流れを示す遺物・文書等の歴史資料を収集,保存し,これらを調査研究し,展示等を通じて地域住民に公開することによって,それを活用していくための拠点となる施設である。

国は,公立歴史民俗資料館の建設について昭和45年度から補助を開始し,平成3年度末までに462館(都道府県立12館,市町村立450館)が建設された。

地域におけるこれらの施設の役割は極めて重要で,地域的特色を示す有形の民俗文化財の収集の拠点となり,質量ともに優れたコレクションが国の重要有形民俗文化財に指定される例も見られる。今後は,その活動の核となる専門職員の資質向上,地域住民との協力,歴史民俗資料館相互の連携等を図っていく必要がある。


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