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2編 文教施策の動向と展開
第8章 文化の振興
第7節 文化施設の整備
1 国立文化施設の整備



(1) 第二国立劇場(仮称)の整備促進

オペラ,バレエ,ミュージカル,現代舞踊,現代演劇等現代舞台芸術の創造,振興及び普及を図るため設立される第二国立劇場(仮称)については,設置者である特殊法人日本芸術文化振興会と隣接する地権者が共同して,第二国立劇場(仮称)及びその周辺を第二国立劇場(仮称)の立地にふさわしい文化的な雰囲気のある街区とするため,都市計画法上の特定街区制度を導入して一体的に整備することとし,平成4年2月に東京都において特定街区の都市計画決定が告示された。今後は,所要の手続きを経て,建設工事に着工する予定である。


(2) 国立美術館

優れた美術作品,その他の資料を収集・保管して公衆の観覧に供し,併せてこれに関連する調査研究及び事業を行うことを目的として,東京国立近代美術館,京都国立近代美術館,国立西洋美術館,国立国際美術館の4美術館が設置されている。

このうち東京国立近代美術館では,近代美術に関する作品等に,京都国立近代美術館では,工芸を主体とした近代美術に関する作品等に,国立西洋美術館では,フランス政府から寄贈返還された松方コレクション及びその他の西洋美術に関する作品に,また国立国際美術館においては,日本美術の発展と世界の美術との関連を明らかにするために必要な美術に関する作品等にそれぞれ重点をおいて収集,展示している。

これらの美術館においては,主な事業として,所蔵作品を順次展示する「常設展」と,特定の課題に基づき内外の美術作品を展示する「企画展」等を行っている。平成4年度には,「現代美術への視点―形象のはざまに」,「塗りの系譜」(東京国立近代美術館),「アボリジニの美術」(京都国立近代美術館),「フランス近世素描展」(国立西洋美術館),「彫刻の遠心力この十年の展開」(国立国際美術館)などの特別展を開催している。また,講習会や講座等の開催,展覧会図録や館報の刊行などにより美術の普及に努めるとともに,美術作品や美術史等に関する調査研究を行い,その成果を展示事業や普及事業等に反映している。

さらに,近年,公・私立の美術館がかなり増加したことから,優秀な学芸員の確保や館所蔵品の体系的な収集が重要な課題となってきている。このため,国立美術館においては,公・私立美術館の学芸員を一定期間,国立美術館に受け入れ,職務に従事しながら研修する制度等各種研修事業を実施している。

今後は,学芸貝研修の充実,情報資料の収集・提供のシステム化など公・私立美術館への指導援助機能の一層の充実が求められている。


(3) 国立博物館

国宝・重要文化財を始めとする有形文化財を収集・保管して公衆の観覧に供し,併せてこれに関連する調査研究及び事業を行うことを目的として東京国立博物館,京都国立博物館,奈良国立博物館の3館が設置されている。

このうち,東京国立博物館は日本を始めとする東洋諸地域の古美術品,考古品等を,京都国立博物館は京都を中心とする畿内に伝来した文化財及び平安時代以降の美術品を,奈良国立博物館は仏教美術を中心とした美術品を主な対象としており,館蔵品,寄託品を中心に,文化庁長官の勧告等により出品された国宝・重要文化財を加えて「常設展示」を行うほか,平成4年度には,「創立120年記念-日本と東洋の美」(東京),「かなの美」(京都),「密教工芸-神秘のかたちー」(奈良),「第44回正倉院展」(奈良)などの大規模な「特別展」を開催している。

これらの博物館では,これら展覧会のほか,各館を紹介したリーフレット,所蔵品目録,常設展・特別展等の解説書等の発行を行っている。

また,博物館の行う事業の理解と啓発を図るため,講演会等を開催するほか,美術及び歴史に興味を持つ人を対象とした「友の会」制度を設けている。

さらに,国立博物館には館蔵品等に関する情報資料が多数保管されており,情報資料センターの機能を持つ組織を設けてその公開を行っているが,調査研究・サービス機能を充実するため,コンピュータによる情報資料のデータベース化と各施設相互間のネットワーク化のための調査研究を進めている。


(4) 国立文化財研究所

文化財の基礎的研究を進め,その保存等に資するため,東京国立文化財研究所,奈良国立文化財研究所の2研究所が設置されている。

これらの文化財研究所においては,従来からの考古学,建築史学,美術史学等の分野の研究とともに,自然科学的な手法も取り入れて,学際的,複合領域的な学問研究の成果を結集した文化財に関する研究を行っている。

また,文化財に関する各種情報資料の処理システムの開発の基礎的研究を進めており,遺跡遺物のデータベースの作成や遺跡測量等に関する情報処理化について成果が上がっている。

さらに,文化財保存修復に関する国際的な研究協力事業も増大している。東京国立文化財研究所においては,中国敦煤文化財の保存修復についての研究協力等を引き続き実施するほが,平成4年度は,各国紙製文化財修復関係者を招へいし,日本の和紙を用いる保存技術についての国際修復研修を実施する予定である。奈良国立文化財研究所においては,南アジア仏教遺跡の保存整備に関する調査研究を引き続き実施するほか,平成4年度には,新たにロシア・パジリク文化古墳群についての共同研究を実施する予定である。


(5) 国立劇場

特殊法人日本芸術文化振興会が我が国の伝統芸能の保存と振興を目的として設置している国立劇場(本館,演芸資料館,能楽堂,文楽劇場)においては,古典の正しい保存と伝承を心掛けた伝統芸能の自主公演を行うとともに,歌舞伎,文楽,能楽等の伝承者の養成,伝統芸能に関する調査研究,資料の収集等の事業を行っており,我が国の伝統芸能の保存・振興の拠点として,大きな役割を果たしている。

平成3年度には,本館大・小劇場の開場25周年に当たり,歌舞伎と文楽で「義経千本桜」の通し上演など11公演の記念公演の開催など,合計152公演(996回)の自主公演を行ったほが,伝承者養成事業として,歌舞伎俳優第11期研修生6名,能楽第2期研修生5名ほがの研修修了生を出すなど,伝統芸能の保存伝承事業を実施した。

また,昭和41年に建設された本館大・小劇場及び劇場施設を最新の水準に高めるため,平成3年度に舞台や客席等の本館の大改修を実施した。


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