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2編 文教施策の動向と展開
第8章 文化の振興
第6節 伝統文化の継承と保存
4 伝統芸能等の伝承



(1) 無形文化財の伝承

歌舞伎,能楽,文楽等の芸能,陶芸,染織等の工芸技術などの無形の文化的所産のうち重要なものを重要無形文化財に指定し,併せてそれを体現する者を保持者又は保持団体として認定している。

平成3年度においては,工芸技術関係では,彫金の増田三男氏,また,芸能関係では能シテ方の松本惠雄氏,歌舞伎女方の四世中村雀右衛門氏についてそれぞれ重要無形文化財の保持者(いわゆる「人間国宝」)の追加認定を行った。

文化庁では,無形文化財の保存・伝承のため,重要無形文化財保持者に対し,技の練磨向上と伝承者の養成のための特別助成金を交付するとともに,保持団体等が行う伝承者養成事業等に対して補助している。

また,国立劇場では,歌舞伎,能楽,文楽,演芸等の伝統芸能の保存と振興を図るため,伝統芸能の公開,伝承者の養成,調査研究等を行っている。


(2) 民俗文化財の伝承

衣食住,生業,信仰,年中行事等に関する風俗慣習,民俗芸能及びこれらに用いられる衣服,器具,家屋その他の民俗文化財については,無形のものと有形のものとに分けて,それぞれ特に重要なものを重要無形民俗文化財又は重要有形民俗文化財に指定している。

平成3年度においては,多様な要素が複合され地域的特色が顕著な祭礼行事として白間津のオオマチ(大祭)行事(千葉県)など2件を重要無形民俗文化財に指定した。

民俗文化財は,日常生活に基盤を置くものであることから,戦後の急激な社会開発,生活様式の変化により,近年,急激に消滅変貌する傾向にある。

このため,文化庁は,重要有形民俗文化財の保護のための修理,防災,収蔵庫・公立歴史民俗資料館の建設及び重要無形民俗文化財の保護団体が行う伝承・公開事業等に対して補助している。平成元年度からは,各地に伝承されている民俗芸能等の実態を把握し,その保存伝承に資するための全国的調査を実施している。

また,地域の伝統的な芸能及び風俗慣習(地域伝統芸能等)を活用した行事(イベント)の確実かつ効果的な実施を支援するための措置を講ずる「地域伝統芸能等を活用した行事の実施による観光及び特定地域商工業の振興に関する法律」が平成4年6月に成立した。文化庁では,イベント化に当たって文化財の保存に万全を期するとともに,イベントの実施を通じて,地域伝統芸能等の保存団体の一層の活性化,地域伝統芸能等に対する国民の理解の促進など,地域伝統芸能の振興にも配慮していくこととしている。


(3) 文化財保存技術の保存

文化財の保存,修理等に欠くことのできない伝統的な技術・技法の伝承及びそれに用いられる資材の安定的な確保は極めて重要である。このため,木造彫刻や建造物の修理など伝統的な技法による製作・修理技術及び檜皮,漆などそれらに必要な資材の製作技術等のうち保存の措置を講ずる必要のあるものを選定保存技術として選定し,併せてその保持者又は保存団体を認定している。

平成3年度においては,文化財建造物の保存修理に必要な規矩術(古式規矩)など3件を選定保存技術に選定した。

文化庁は,これらの技術の保存のため,技術の維持向上,後継者の養成事業に対する補助及び保存技術の記録作成等を行っている。


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