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2編 文教施策の動向と展開
第8章 文化の振興
第5節 国語施策,著作権施策及び宗務行政の推進
1 国語施策の充実



(1) 国語施策の目的と役割

国語は,文化の基盤を成すものである。社会が発展し向上していくために,また,文化を創造し継承していくために,国語の果たす役割は極めて大きい。国民が社会生活の中で相互に十分に意志を通じ合うことができるように,そして,生活能率を高め文化水準を向上させることができるようにするためには,言葉や文字の使い方について合理的な標準を設けることが必要である。

社会生活が複雑になるにつれて,言葉も豊富になり複雑になるなど,時代の変化とともに国語は変化するが,国語施策もこれに適切に対応していかなければならない。


(2) 国語の改善等
1) 戦後国語施策の見直し

国語の問題を審議する機関として,政府は,各界を代表する学識経験者や専門家で構成する国語審議会を設けている。国語審議会における高い識見と専門性に基づく慎重かつ公正な審議に基づいて,国語施策は実施されている。

国語審議会は,戦後実施された「当用漢字表」,「送りがなのつけ方」,「現代かなづかい」等の国語施策を見直すため,昭和41年に「国語施策の改善の具体策について」の諮問を受け,平成3年2月まで,これら―連の国語施策について再検討を加え,改善を図ってきた。すなわち,戦後間もなく実施されたこれらの施策については,その後の実施過程において,例えば,送り仮名については送り過ぎの傾向があったこと,当用漢字については制限的な性格をもっていたことや必要な字種,音訓が入っていなかったことなどに対する批判や問題点の指摘があったため,これを見直すこととし,2-8-3 のとおり逐次改善を図ってきた。

2-8-3  国語審議会主要答申と実施状況

現在の1送り仮名の付け方」(昭和48年),「常用漢字表」(昭和56年),「現代仮名遣い」(昭和61年)及び「外来語の表記」(平成3年)は,いずれもその適用範囲を「法令,公用文書,新聞,雑誌,放送など,―般の社会生活」とし,「科学,技術,芸術その他の各種専門分野や個々人の表記にまで及ぼそうとするものではない」ことを明記するとともに,従来の制限的画―的な性格を改めて,「目安」,「よりどころ」という緩やかで弾力的な性格のものとしている。

平成3年9月以降,国語審議会は,社会の各分野で国語についてどのようなことが問題とされているか,問題点を洗い出し,問題の所在を明らかにするとともに,国語施策の上でそれらの問題にどのように対処していけばよいかを総合的に審議しており,平成4年6月には,「現代の国語をめぐる諸問題について」とする中間的な審議経過を報告した。最終的な報告は平成5年8月までにまとめられる予定である。


2) 美しく豊かな言葉の普及

国語審議会は,昭和47年6月に「国語の教育の振興について」を建議し,その中で国語が平明で,的確で,美しく豊かであることを望み,国民全体が国語に対する意識を高め,国語を大切にする精神を養うことが極めて重要であるとして,学校教育,社会教育及び家庭教育の各分野における国語教育の振興を提言した。

文化庁では,この趣旨に基づき,広く関心の持たれている言葉に関する問題を取り上げてやさしい解説を加えた「ことばシリーズ」(解説編,問答編)を昭和48年度から作成し,全国の小,中,高等学校,社会教育機関等に無償配布している (表2-8-4)

また,昭和55年度からは,映像,音響効果を活用し,たビデオテープによる「美しく豊かな言葉をめざしてlのシリーズを作成し,全国の視聴覚ライブラリー等に無償配布している (表2-8-5)

2-8-4  「ことば」シリーズ(解説編)の標題―覧

2-8-5  「美しく豊かな言葉をめざして」の標題―覧


(3) 国立国語研究所における調査研究と事業

昭和23年12月に設置された国立国語研究所は,国語及び国民の言語生活に関する科学的調査研究を行い,併せて国語の合理化の確実な基礎を築くための事業を行う機関として,現代語,国民の言語活動,国語の地域的時代的変化,国語の教育について計量的方法を用いた調査研究を行っている。また,昭和51年10月には,外国人に対する日本語教育の振興を図る目的で田本語教育センターを設置し,日本語に関する基礎的研究を行うほか,教材の開発や日本語教貝に対する長期及び短期の研修を行っている。


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