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2編 文教施策の動向と展開
第7章 社会教育の振興
第5節 社会教育の諸条件の整備
1 社会教育施設の整備


社会教育施設には,公民館を始め,図書館,博物館,青少年教育施設,婦人教育施設,視聴覚センター等がある。近年これらの施設の整備が進められるとともに,それぞれの目的に応じた各種の学習活動が活発に展開されている。また,最近,生涯学習推進センター等の名称で県立の総合的な社会教育施設を設けて,県民の学習要求にこたえている例が増大しつつある。この生涯学習推進センター等については2編第2章 で,青少年教育施設,婦人教育施設,視聴覚センターについては本章の関係のところで述べているので,以下においては,公民館,図書館,博物館について述べる (図2-7-3 ,4)

2-7-3  社会教育施設数の推移

2-7-4  社会教育施設利用者数の推移


(1) 公民館

公民館は,戦後,我が国独自の社会教育施設として提唱され,整備が進められてきたもので,身近な日常生活圏域における社会教育活動の中心的な施設であり,地域住民の学習活動の拠点として重要な役割を果たしている。全国の公民館数は平成2年10月現在で1万7,347館となっている。平成元年度に公民館が実施した社会教育学級,講座の総数は15万9,721学級,講座であり,l公民館当たり9.2学級,講座を開設している。また,諸集会の実施件数は27万4,330件であり,その内訳は,講習会等14万5,785件,体育事業5万8,743件,文化事業6万9,802件となっている。こうした学級,講座や諸集会への参加者は年間延べ3,294万人と推計される。さらに,これらの学級,講座や諸集会以外の施設の利用者は,平成元年度間で約1億9,433万人に達している (図2-7-5)

2-7-5  公民館における学習内容別学紐,講座数(平成元年度間)

今後の公民館の整備,運営に当たっては,生涯学習時代に対応し,地域における生涯学習を推進する中核的な施設として,他の生涯学習関連施設等の連携の中心となり,―層発展していくため,多様な学習機会の提供,自発的な学習活動の援助,学習情報提供,相談機能の充実,生涯学習関連施設等との連携,公民館運営方法の改善,職貝体制の充実,公民館施設の計画的な配置や施設,設備の整備等に留意しつつ進めることが必要であり,このことについては更に検討を進めることとしている。


(2) 図書館

図書館は,住民の身近にあって,人々の学習に必要な図書や資料,情報を収集,整理し,提供する施設であり,―般には公共図書館と呼ばれている。

平成2年10月現在の公共図書館数は,地方公共団体が設置する公立図書館が1,917館,法人等が設置する私立図書館が33館となっている。職員総数は1万6,331人であり,職員のうち専門的事務に従事する司書,司書補の数は6,784人となっている。なお,自治体のうち,市町村の図書館設置状況を見ると,その設置率は,市が91%,町が25%,村が8%,全体では36%となっている。また,年間貸出冊数は,平成元年度において,国民―人当たり約2冊に当たる2億7,000万冊の図書が貸し出されている。

公共図書館は逐年整備,充実が図られており,最近の15年間では図書館数は1,066館から1,950館と1.8倍,図書の貸出冊数は3.5倍と着実な伸びを示している (図2-7-6)

最近では,CD(コンパクトディスク)やビデオテープ,ビデオディスクなどの新しい種類の資料を収集し,利用者のニーズに応じたサービスを提供するところも増えている。また,コンピュータが約42%の図書館で導入されており,図書の検索や貸出,返却などに利用され,さらには本館と分館,県立図書館と市町村立図書館などのオンライン化が進められるなど,利用者へのサービスの向上に活用されている。

なお,人々の生活時間に対応して日曜開館や夜間開館を行うなど,弾力的な運営に取り組んでいる図書館が年々増加しており,平成元年度において,日曜開館を実施している図書館は88%,18時以降も開館している図書館は40%となっている。

2-7-6  公共図書館の推移

文部省では,公立図書館の整備充実を図るため,昭和26年度から図書館施設の整備費に対する補助を行っており,平成3年度末までに852館に補助した。また,巡回文庫用自動車の整備,身体障害者のための点字図書,拡大読書機等の整備事業などを行う市町村等に補助している。

また,地域における生涯学習の重要な施設としての公立図書館の在り方について検討を進めてきた生涯学習審議会社会教育分科審議会施設部会図書館専門委員会は「公立図書館の設置及び運営に関する基準について(報告)」を取りまとめた。文部省では,平成4年6月,今後の図書館行政の参考とし,公立図書館の―層の整備,充実を図るため,生涯学習局長名で各都道府県,指定都市教育委員会教育長あてにこの報告を通知した。


(3) 博物館

博物館は,歴史,芸術,民俗,自然科学などに関する資料を収集,保管,展示し,これらの資料による実物教育を中心として,人々の知識や教養を高め,情操を豊かにする施設として重要な役割を果たしている。

平成2年10月現在で,都道府県の教育委員会の登録を受けた博物館が562館,博物館に相当する施設として文部大臣又は都道府県の指定を受けた施設が237館ある。また,このほかに博物館と同種の事業を行うものが2,169館ある。

博物館の職員総数は,平成2年現在,1万1,429人(1館当たり14.3人)である。職員のうち,博物館の専門的職員として,資料の収集,保管,展示及び調査研究に従事している学芸貝及び学芸貝補の数は,2,549人となっている。

博物館の入館者数は平成元年度で延べ約1億3,032万人に及んでいる。

また,近年は,人々の学習需要の高まりにこたえるため,教育事業活動が活発に行われており,博物館が主催している映写会,研究会,講演会などの諸集会の参加者数は,平成元年度で延べ143万人となっている。

今後の博物館の整備,運営に当たっては,特に博物館における教育普及活動の多様化,充実,資料の充実と展示の開発,学校教育との関係の緊密化,情報ネットワークの形成,職員資質の向上等に留意しつつ進めることが必要である。


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