ここからサイトの主なメニューです
前(節)へ  次(節)へ
2編 文教施策の動向と展開
第7章 社会教育の振興
第4節 多様な学習機会の整備
2 女性の学習


近年,女性の意識の変化や教育水準の向上,社会の成熟化,国際化,情報化の進展等により,成人女性の生涯学習活動は高度化,多様化している。総理府の「女性に関する世論調査」(平成2年9月)によると43.0%の女性が学習活動に,29.2%が地域活動に参加している。国立婦人教育会館が行った「高等教育機関における女性学関連講座開設状況調査」によれば,昭和60年の166講座から平成2年の463講座へと伸展しており,社会教育においてはその成果を取り入れた女性の主体性の形成を目指す学習機会が増加している。

これらを背景に,政府は「西暦2000年に向けての新国内行動計画」(第1次改定)(平成3年5月)の重点目標の―つとして,女性の生涯にわたる学習機会の整備を掲げている。

文部省では,成人女性(婦人)を対象に,学習機会の提供,社会参加の促進,婦人団体の育成,婦人教育施設の整備等,次のような婦人教育施策の充実に努めている。

第―に,成人女性が自らの資質,能力の向上や生活上の課題解決を目指して学習することができるよう,市町村や婦人団体等が開設する婦人学級を奨励している。平成2年度には,全国で約3万学級が開設され,約142万人が参加した。なかでも,男女の固定的な役割分担意識の払拭を目指す「婦人問題学習講座」や,主として子育て後の女性を対象として再就職に必要な知識,技術,心構え等を学習する「婦人の職業生活準備セミナー」を特に奨励している。これらは,平成3年度から「社会教育活動総合事業」の中で実施している。

都道府県,指定都市が大学等と連携して行う「女性の生涯学習促進事業-ウィメンズ,ライフロング,カレッジ」は,女性学コースや国際理解コース等,より高度で専門的な学習機会の提供を図っている。

第二に,女性の社会参加の促進を図るため,昭和51年度から市町村が行う「婦人ボランティア活動促進事業」に助成しており,平成2年度には,138市町村に助成した。平成3年度からは,社会教育活動総合事業の中で実施している。

また,国際化の進展に伴い,女性の持つ国際的な能力,経験や資質を活用した草の根レベルの国際交流活動を推進するため,都道府県,指定都市が行う「女性国際交流フェスディバル」を助成している。

さらに,これらの学習活動を女性が自ら企画運営するように,教育委員会,婦人団体等が行う婦人教育指導者研修事業を奨励している。平成2年度からは,社会のあらゆる分野で女性の持つ能力が十分発揮できるよう,各種の学習,実践活動のモデル事業を実施する「女性の社会参加支援特別推進事業」を推進している。平成3年度は,男女平等の意識変革,女性の生涯学習,地域づくり,消費者教育等に関する24事業を委嘱した。

第三に,全国的,国際的に多様な学習活動,社会活動を展開している婦人団体の自主性を尊重しつつ,求めに応じて指導,助言,財政援助等を行っている。平成2年度末現在,教育委員会が指導,助言,財政援助等を行った婦人用体数は約3万1,000団体,会員数は約681万人で,これは女性有権者数の約14.5%に当たる。文部省は,全国組織の婦人団体が行う指導者の研究協議会,海外派遣,調査研究事業等に対し助成を行い,婦人団体の育成を図っている。

第四に,婦人教育施設の整備充実を図っている。婦人教育施設は,婦人教育関係者や―般女性のために各種の研修,交流,情報提供等の事業を行うとともに,婦人団体等が行う各種の婦人教育活動の拠点として,女性の資質,能力の開発や知識,技術の向上を図ることを主たる目的として設置された施設である。文部省では,昭和52年に国立婦人教育会館を設置,53年度から地方公共団体が広域的な婦人教育施設を整備する事業に対して助成を行っている。これにより平成3年度までに13館が建設されている。平成3年4月1日現在婦人教育施設は全国で215館(国立1館,公立164館,私立50館)設置されている。

国立婦人教育会館は,「女性の学習活動専門講座」,「出前講座」等の実践的な研修,1女性学講座」や「青年男女の固定的な性別役割分担意識是正のためのプログラム研究」等の婦人教育,家庭教育に関する専門的な調査研究,各種国際会議などを実施している。平成元年度からは,アジア太平洋地域の婦人行政担当官等を対象に「海外婦人教育情報専門家情報処理研修」を開催しているほか,同婦人教育情報センターでは,平成3年7月に全国の婦人教育施設等とのオンライン化を行い,国内外の女性情報ネットワーク形成を推進している。


前(節)へ  次(節)へ

ページの先頭へ   文部科学省ホームページのトップへ