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2編 文教施策の動向と展開
第6章 学術研究の振興
第8節 学術の国際交流の推進
5 日本学術振興会を通じた学術交流


日本学術振興会は,国際的な学術協力を推進するために,様々な交流事業を実施している。


(1) ―般的国際交流

昭和63年度にアメリカ,イギリス,西ドイツ,フランスの欧米先進国の博士号取得直後の研究者100名を招へいするフェローシップ「外国人特別研究員制度」を創設した。本制度は,外国人若手研究者に対し,、我が国の適切な研究指導者の下で研究に従事する機会を提供し,これら諸国の研究者養成に貢献するとともに,我が国の研究者,特に若手研究者に学術的な刺激を与え,我が国の学術研究の発展に資することを目的としたものであり,発足以後対象国,招へい人員とも徐々に拡充して平成4年度にはそれぞれ28か国(CISを含む),185名に及んでいる。

また,思考,発想の柔軟な若手研究者の交流拡大は研究者の独創性を養う上でも極めて有意義であるとの考えから,我が国の若手研究者を長期間海外の研究機関に派遣する「海外特別研究員制度」を実施している。

さらに,我が国の研究者との討議,意見交換,講演のために著名研究者を短期間招へいしたり,特定課題についての共同研究を行うことを目的として長期間研究者を招へいする「外国人招へい研究者制度」も実施されている。


(2) 二国間学術交流事業

日本学術振興会は,外国のアカデミーや学術研究会議などの機関と直゜接締結している覚書あるいは日本政府と外国政府との間の協定や合意文書等に基づいて,特定国との間で二国間学術交流事業を実施し,研究者交流,共同研究,セミナーなどを展開している。

従来から行われている日米科学協力事業や日仏科学協力事業などに加え,平成4年度からドイツとの間で,先進的な研究課題を対象にした共同研究やセミナーを内容とする「アドパンスト,リサーチ(先進研究)国際協力事業」を新たに開始した。


(3) 海外研究連絡センター

海外研究連絡センターは,これまでナイロビ(ケニア),テヘラン(イラン),バンコク(タイ),サンパウロ(ブラジル)及びワシントン(米国)の5か所に設置されていたが,新たにボン(ドイツ)のセンターが開設された。センターでは,派遣された研究者自らが研究調査を実施するとともに,現地の関係機関との連絡を図り,研究上の情報を収集,あわせて当該国研究者,研究機関に対し,我が国の学術研究動向や学術情報の提供等の活動を行っている。


(4) 発展途上国との学術交流事業

発展途上国との間では,アセアン諸国を中心に次のような事業を実施している。


1) 拠点大学方式による交流

特定の研究分野ごとに相手国と日本側にそれぞれ交流の中核となる拠点大学を設け,その他の大学の協力を得て,共同研究やセミナーなど組織的な学術交流を行っている。平成3年度には,タイ,インドネシア,フィリピン,シンガポール,マレーシアの5か国との間で,理学,農学,医学等の分野で24交流プロジェクトの交流を実施した。さらに,拠点大学交流方式等による学術交流の実績を踏まえ,インドネシアにおける熱帯病に関する大型共同研究の促進及び相手国の若手研究者の養成にも協力する「大型共同研究方式事業」も実施している。


2) 論文博士号取得希望者への援助

インドネシア,マレーシア,フィリピン,シンガポール,タイ,中国,韓国及びインドの若手研究者で,我が国の論文博士号制度を活用して博士号の取得を希望する者に対する援助事業である。博士号取得を希望する若手研究者は,適当な時期に訪日し,集中して研究指導を受け,あるいは,日本の指導教官が短期間若手研究者の研究機関を訪問し指導を行い,論文博士号を取得させるものである。本国における現職を維持したまま博士号を取得することができることもあり,各国の希望者は年々増加している。昭和53年度の事業開始以来,平成3年度末までに既に126名の論文博士が誕生している。


3) アジア学術セミナー

平成4年度から新たに,アジア地域の研究者に研究発表,討論及び最新学術情報の交流の場を提供することにより,アジア地域の研究者養成及び研究水準の向上に資する「アジア学術セミナー」を実施することとしている。


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