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2編 文教施策の動向と展開
第4章 高等教育の改善・充実
第3節 高等教育機関の整備
6 科学技術人材の養成


 理工系の大学院,学部や高等専門学校を中心として行われている理工系教育は,我が国の科学技術を支える優秀な技術者,研究者を数多く養成し,理工学研究水準の向上に寄与するとともに,我が国産業の発展に大きく貢献してきた。

 しかし,現在,理工系人材については,社会的ニーズに対して,量及び質の両面におけるインバランスが指摘されている。量的には,人材の供給の絶対量が不足していることであり,特にソフトウェアなどの分野で技術者の養成が求められている。一時,理工系の学部卒業者が製造業以外の業種に就職する傾向がみられ懸念されたが,社会の高度技術化に伴い,製造業にとどまらず社会のあらゆる分野で理工系の人材が求められる状況は今後も続くことが予想される。文部省では,情報技術者については,昭和63年に策定した養成計画に基づいて,情報関係学部・学科の拡充を進めてきているが,今後は,18歳人口が急減するという状況を踏まえつつ,理工系全体について,人材不足感の強い分野を的確に把握し,社会のニーズに対応した人材養成を進めることが求められている。

 量の確保以上に,理工系教育の質の充実が重要であるが,基礎的な力を十分に身に付けていないなどの指摘もある。文部省では,工学教育に関し,昭和63年度から1工学教育の振興に関する調査研究協力者会議」を開催して平成元年に報告書「変革期の工学教育」を取りまとめ,明確な教育目標の設定とそれに基づくカリキュラムの編成による幅広い工学基礎教育の実施など,工学教育の質的改善について提言を行った。情報の分野でも,量的な拡充の反面で教育の質的な不十分さが指摘されているため,文部省では,平成元年度に情報技術人材に対する産業界ニーズの動向に関する委託調査を実施するとともに,現在情報処理教育のカリキュラムについて委託調査を進めている。近年,理工系の学部を志願する高校生の割合が低下する傾向も見られており,その意味でも魅力ある理工系教育の実施が求められている。

 理工系の大学の整備に当たっては,以上のような質,量両面の充実に留意しながら,科学技術の高度化,学際化に対応した学科の新設・改組,大学院研究科,専攻の新設などを進めている。平成4年度においても,学部については,埼玉大学工学部の機能材料工学科,東京工業大学理学部の地球・惑星科学科の新設のほか,9大学の工学系学部,2大学の理学部において学科を改組した。また,大学院では,修士課程については,埼玉大学理工学研究科の情報工学専攻,長岡技術科学大学工学研究科の生物機能工学専攻など4大学で4の理工系の専攻を設置した。博士課程では,東京大学数理科学研究科,東京工業大学生命理工学研究科,電気通信大学情報システム学研究科の新設のほか,東北大学工学研究科の生物工学専攻,宇都宮大学工学研究科の生産・情報工学専攻及び物性工学専攻など10大学で16の理工系の専攻を設置した。今後は,急速な技術革新に伴い,情報,バイオテクノロジー,材料などの先端技術分野における独創的で高度な教育研究が求められているため,特に大学院に重点を置いた人材の養成を進めていくこととしている(情報技術者の養成については,2編第10章第4節参照 。)。


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