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2編 文教施策の動向と展開
第3章 初等中等教育の改善・充実
第7節 特殊教育の振興
2 特殊教育の振興方策


 心身障害児に対する教育については,その可能性を最大限に伸ばし,可能な限り社会自立の達成を図るため,一人一人の障害の状態等に応じた適切な教育を行うことが重要である。また,同時に,社会一般の心身障害児に対する理解認識を促進することが重要である。

 近年においては,児童生徒の障害の重度・重複化への対応,軽度の心身障害児に対する教育の充実,障害を改善・克服するための早期教育の充実,心身障害児の社会自立を目指した職業教育・進路指導の充実,後期中等教育の機会の拡充等が求められている。こうした中で,次のような施策を推進している。


(1) 通級による指導の充実

 言語障害,弱視,難聴等の障害については,各教科の授業は小・中学校の通常の学級で受け,心身の障害の状態等に応じた特別の指導を部分的に特殊学級などで受ける形態があり,これらは一般的に「通級」と呼ばれている。

 通級による指導については,平成2年度から2か年にわたり,通級学級に関する調査研究協力者会議を設け,その充実方策を検討してきたが,平成4年3月「通級による指導に関する充実方策について(審議のまとめ)」が取りまとめられた。この審議のまとめでは,教育課程上の位置付けの明確化,教員定数上の措置等が必要であると指摘されている。

 審議のまとめを受け,平成4年度には,全国で168校の研究指定校を設け,通級による指導の具体的な指導内容・方法について研究を行っており,今後,その教育課程上の位置付けの明確化など通級による指導の充実方策を講じていくこととしている。


(2) 学習障害問題への対応

 学習障害とは,全体的な認知能力に比べ,読み,書き,計算などの特定の能力の発達が著しく遅れていることを特徴とするものであるが,現段階では,その判定基準や診断方法が明確でない状況にある。このため,基礎研究と実践的な研究の両面からの研究が重要であり,平成3年度から4年計画で国立特殊教育総合研究所で行っている基礎研究を進めるとともに,文部省でも,平成4年度から,調査研究協力者会議と研究協力校を設け,実践的な研究を行うこととしている。


(3) 適正就学指導の充実と心身障害児に対する理解認識の促進

 心身の障害の種類と程度に応じた適切な教育を行うためには,障害の状態を的確に把握し,適切な就学指導を行うことが極めて重要である。

 このため,これらの就学指導に携わる者を対象とする研究協議会の開催,平成4年度からは新たに,医療・福祉関係機関と連携した早期からの就学指導の在り方に関する調査研究を実施するなど就学指導の充実に努めている。

 また,心身障害児に対する小・中学校の児童生徒や教員及び社会一般の人々の理解認識を深めるため,指導資料やビデオの作成・配布,特殊教育諸学校の児童生徒と小学校,中学校の児童生徒や地域社会の人々との交流活動を行う研究校の指定等を行っている。


(4) 教職員の資質の向上

 特殊教育担当教職員の資質の向上を図るため,平成4年度から新たに特殊教育諸学校で初任者研修を実施するとともに,引き続き,特殊教育内地留学制度の実施や各種講習会の開催,新任特殊学級担当教員研修への補助,指導資料の編集・発行などの事業を実施しているところである。


(5) 就学奨励・設備整備等補助

 特殊教育諸学校及び小・中学校の特殊学級への就学には多額の費用を要することなどから,保護者の経済的負担を軽減し,その就学を奨励するため,保護者に特殊教育就学奨励費が支給されている。国では経費の一部を補助しており,本年度も諸単価の引上げ及び支給対象の拡大を図ったところである。

 また,都道府県等が行う特殊教育のための設備整備事業について,経費の一部を補助している。さらに,各都道府県が,就学前の心身障害児やその保護者に対して,就学に当たっての相談活動・指導を行う場合についても,経費の一部を補助している。


(6) 後期中等教育の機会の拡充

 心身障害児の後期中等教育の機会の拡充のため,養護学校高等部の整備が課題となっている。養護学校中学部卒業者の進学率については,年々増加しており,平成4年3月卒業者については75.3%となっている。文部省では,養護学校中学部卒業者の進学率の低い都道府県に対して養護学校高等部の設置の促進を図るよう指導している。


(7) 国立特殊教育総合研究所における研究及び事業

 国立特殊教育総合研究所では,国立久里浜養護学校との相互協力の下に,特殊教育に関する実践的研究を総合的に行うとともに,教員の長期(1年間)及び短期(3か月)の専門的・技術的研修並びに特殊教育諸学校の新任の校長等を対象とする研修,教育相談等を行っている。また,平成4年度は,「国連障害者の10年」の最終年に当たることから,先進諸国から研究者を招き,「特殊教育と技術革新」をテーマに特殊教育国際セミナーを開催することとしている。


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