ここからサイトの主なメニューです
前(節)へ  次(節)へ
2編 文教施策の動向と展開
第3章 初等中等教育の改善・充実
第5節 高等学校教育の改革
3 定時制・通信制教育の多様化への取組


 高等学校の定時制通信制課程における教育については,近年,定時制課程の生徒数の大幅な減少が見られるとともに (表2-3-6) ,勤労青少年の減少,全日制課程からの転・編入学者の増加,成人の割合の上昇等生徒が多様化しており,制度発足当初の状況と相当に異なった状況にある。また,通信制課程については,近年は生徒数は横ばいで推移しているが,定時制課程と同様に生徒の多様化が進んでいる。

 高等学校の定時制・通信制教育の改善について,昭和62年12月,高等学校定時制通信制教育検討会議は,今後の定時制・通信制教育の在り方について,勤労青少年に対する後期中等教育機関としての役割,教育の機会の拡大の観点から多様な履修形態を提供する後期中等教育機関としての役割,生涯学習の観点から後期中等教育段階の教育内容を提供する教育機関としての役割という三つの役割を持つ教育の場としてその在り方を見直す必要があるとの意見をまとめるとともに,制度・運用の両面にわたって改善のための様々な提言を行った。

具体的には,学習意欲の向上や生徒の学習負担の軽減を図るなどの観点から,1)生徒の興味・関心を引き出す多様な科目の設置,個別指導の一層の徹底など,各学校の教育内容・方法の改善・充実を図るとともに,学年制に関する教育課程の運用の弾力化を図ること,2)実務代替や技能連携などの履修形態及び二部制・三部制などの授業開設形態の多様化・弾力化を図るとともに,現行の定通,通通併修制度に加え,いわゆる定定,全定,全通の併修など,学校間の連携の拡充を一層促進すること,3)生涯学習機会の拡大を図るとともに,3年間で卒業できる制度上の措置を講じることなどを提言している。

 この報告の趣旨を踏まえて,高等学校の定時制・通信制課程の修業年限の弾力化などを図るため,昭和63年11月,学校教育法の一部改正を行い,平成元年4月から施行した。

 この改正は,定時制・通信制課程の修業年限について,従来の4年のほか,生徒の実態に応じて3年でも卒業し得る道を開いたものであり,すべての定時制・通信制課程の修業年限を一律に3年にしようとするものではない。平成4年度においては,定時制課程58校,通信制課程40校で修業年限3年の課程を設置している。また,専修学校や職業訓練校など技能教育のための施設における学習を高等学校の定時制・通信制課程での学習とみなすことのできる施設の指定について,各地域の実態に応じた,より円滑な技能連携制度の運用が図られるようにするため,従来「文部大臣」が行っていたものを「都道府県の教育委員会」において行うこととした。

 また,平成元年の学習指導要領の改訂により,定時制・通信制高等学校に在学している生徒は,入学後に大学入学資格検定規定の定めるところにより,その受検すべき科目について合格点を得た場合には,それに相当する科目の単位を修得したものとみなすことができるとされていたのに加え,入学以前に合格点を得ている場合にもそれに相当する科目の単位を修得したものとみなすことができることとした。

 他方,臨時教育審議会答申を受け,定時制又は通信制課程の特別な形態のものとして昭和63年度に制度化された単位制高等学校は,毎年増加しており,平成4年度で公立31校,私立5校が設置されている。

 単位制高等学校は,必ずしも毎日登校しなくても履修し得るものであり,かつ社会人を含め多様な生徒を広く受け入れるものであるところから,学校体系の中では定時制又は通信制の課程の特別な形態のものとして位置付けられた。

 また,ほとんど高等学校においては,各学年ごとに課程の修了の認定を行う学年制が採用されているが,単位制高等学校では,学年による教育課程の区分を設けないこととしており,この点が単位制高等学校の最大の特色である。さらに,単位制高等学校は,生涯学習の観点から,1)社会人など多様な生徒を受け入れるため,学期ごとの入学及び卒業ができるようにする,2)履修形態の多様化・弾力化を図るため,多様な科目の開設及び昼夜開講制など複数の時間帯における授業を実施する,3)必要に応じ土日コースなどを設けることができるようする,4)他の高等学校で修得した単位数を単位制高等学校における卒業に必要な゛単位数に加えることができる,5)聴講生として特定の科目の履修のみを目的とする者(科目履修生)を受け入れるため必要な配慮を行うことができる,などの特色を有しており,今後の定時制・通信制教育の在り方を考えていく上でもその成果が注目されている。

 なお,平成3年度からは,新たに有識者等から成る「高等学校定時制・通信制教育の改善に関する検討会議」を発足させ,時代の進展に対応した今後の高等学校定時制・通信制教育の在り方,単位制高等学校の振興方策,定時制・通信制教育に係る教育条件及び修学条件の整備等に関する調査研究を行っている。

2-3-6  定時制・通信制課程の学校数・生徒数の推移


前(節)へ  次(節)へ

ページの先頭へ   文部科学省ホームページのトップへ