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2編 文教施策の動向と展開
第2章 生涯学習の振興
第3節 生涯学習の基盤整備
7 文教施設のインテリジェント化の推進


 近年,所得水準の向上,自由時間の増大,高齢化の進行等社会の成熟化に伴い,人々の学習意欲は高まり,多様かつ高度な学習需要が増大してきている。学習需要の増大に対応するためには,適切かつ十分な学習機会を提供するとともに,学習環境を整備する必要がある。このような観点から,昭和62年の臨時教育審議会答申の「インテリジェント・スクール構想」においては,地域の教育・研究・文化・スポーツ施設等の文教施設を再編・整備することにより,地域共通の生涯学習,情報活動の拠点とすべきことが提言されている。

 文部省では,この提言を受け,昭和63年度から,学識経験者等の協力を得て「文教施設のインテリジェント化に関する調査研究」を実施し,平成2年3月その成果を取りまとめた。

 報告書では,今後の文教施設の整備は,

(1)人々の多様かつ高度な学習需要に対応するための施設の多機能化及び高機能化
(2)文教施設の持つ様々な機能の高度化を図るための施設・環境の有機的な連携
(3)情報化の進展に対応するための情報通信・処理機能等の導入
(4)人間性,文化性及び自然との調和に配慮した,快適で豊がな環境の創造

という新たな施設計画の理念,設計思想の下に進められる必要があり,これに沿って,地域における学習環境を総合的に向上させていくためには,文教施設の整備を広く地域計画の観点からとらえていくべきであるとしている。

 文部省では,この報告を受け,平成2年度から,文教施設の高機能化,多機能化を推進するため,地方公共団体等にインテリジェント化に関するパイロット・モデル研究を委託し,1)地域学習環境総合整備計画,2)特色ある文教施設複合型整備計画,3)特色ある文教施設個別型整備計画,4)地域情報通信ネットワーク整備計画の具体的な策定研究を実施し,その推進と実証的な検討を進めてきているところである (表2-2-2)

 また,「文教施設のインテリジェント化について」の報告の中で文教施設の高機能化,多機能化を図るための一方策として提言された文教施設の複合化は,従来より臨時行政改革推進審議会の類似関連施設の複合化を推進する旨の答申等を踏まえ,社会教育施設等を中心に進められてきていたが,施設目的,施設機能等を異にする学校施設と他の文教施設との複合化については,現在のところまだその事例は少なく,また,解決すべき技術的課題も多いことから,学識経験者等の協力を得て,平成2年度に調査研究を実施し,報告書を取りまとめた。そして,平成3年3月,この成果を学校施設の複合化における施設計画,施設設計及び施設管理上の具体的な留意事項として都道府県教育委員会に通知したところである。

 この通知において,学校施設の複合化は,1)地域における総合的な生涯学習基盤の整備の推進,2)学校教育の活性化に資するための学校教育環境の質的な向上の推進を目的とし,その計画に際しては,児童生徒や地域住民等の学習の場にふさわしい環境を確保する観点から,学校施設との機能的な連携や空間的な一体化が可能で,学習環境の高度化に寄与するものを複合化する対象施設として選択すべきこととしている。

 近年,公共用地の取得難や生涯学習需要の増大などに対応する上で,特に都心部等を中心に,文教施設の複合化が大きな課題となっているところであるが,今後,通知において示している複合化の趣旨,目的等を十分踏まえ,学校及び地域の学習環境の高度化に寄与する適切な複合化の計画が進められていくことが期待される。

2-2-2  文教施設のインテリジェント化に関するパイロット・モデル研究一覧

1.特色ある文教施設複合型整備計画 農山村のコミュニティ・スクール -村の誰もが自由に学べる学校-○計画趣旨公共施設の集積が少ない寒冷地の農山村において,村の誰もが学べ,かつ,生活を楽しめる生涯学習のための総合的な学習・文化センターを,既存小・中学校及び村役場の改築の機会を利用して計画し,地域活性化に役立てている。

2.特色ある文教施設個別型整備計画 高度情報社会に対応した公共図書館-インフォメーション・ライブラリ-○計画趣旨高度情報社会に対応し,従来の図書を中心とした機能に加えて,コンピュータ,ビデオディスク,コンパクトディスク等の様々なニューメディアの導入を積極的に図るとともに,人と人とのコミュニケーション等にも十分配慮した,ハイテックでハイタッチな公共図書館の計画である。


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