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2編 文教施策の動向と展開
第2章 生涯学習の振興
第3節 生涯学習の基盤整備
6 生涯学習施設の連携・協力の推進


 人々の学習の場として,従来から学校のほか,社会教育施設,体育・スポーツ施設,文化施設,さらには,職業訓練施設,社会福祉施設など生涯学習を推進する拠点となる施設の整備・充実が進められている。

 今後,人々により適切な学習機会を提供するためには,地域間の施設整備状況の不均衡の是正や,整備が遅れている施設の設置に努めるとともに,既存の施設の本来的機能を更に有効利用していくため,次のような配慮が必要となる。

 第一は,人々の学習要求の多様化に対処するため,生涯学習施設相互間の連携・協力体制を積極的に推進していくことである。各施設間の連携・協力の形態としては,共同事業の実施,情報の相互提供,施設の相互利用,指導者の相互派遣などが考えられる。また,各種の施設間の連携・協力を行いやすくするための試みとして,複数の施設を一体的に整備する「複合化」が行われている。このような例としては,人々の多様な学習,文化活動を援助できるよう,県民メモリアルホール,小劇場を併設した愛媛県生涯学習センターや,公民館,図書館,老人憩いの家,児童センター等と共同して設置された兵庫県西宮市塩瀬センターなどがある。

 第二は,このような連携・協力を進めるために,各種の情報提供を積極的に行うことである。このため,情報通信機能の強化,施設相互間の資料・教材情報のオンライン検索システムの整備を積極的に進めるなど情報基盤の整備を図ることが必要である。

 第三は,駅前や商店街など人々が集まる場所に生涯学習の場を整備することが有効である。このような例としては,駅前に設置した焼津市焼津公民館や秋田市立土崎図書館,役場支所や保健センターなど多くの人が利用する施設に共同して設置された長野市安茂里公民館などがある。

 第四は,地域住民の利用を考慮した学校施設の整備・活用を行うことである。すなわち,住民の利用に資するような学校施設の設計,余裕教室の地域の学習施設(図書室,郷土資料室など)への転用,住民の利用に供する特別教室の整備などの配慮が必要である。このような例としては,公園と一体的に整備し,また,コミュニティー施設との複合施設として整備した東京都の千代田区立佐久間小学校,村の人々の交流の場としての図書室,郷土資料室を設けた長野県浪合小・中学校などがある。

 文部省では,生涯学習を推進する観点から,こうした社会教育施設の整備や住民利用に配慮した学校の施設整備を行う地方公共団体に対し,これらの施設整備に必要な建設費の一部について助成措置を講じている。

 平成3年度からは,地域における生涯学習の総合的な支援体制の拠点施設として,都道府県が中央教育審議会答申で提言された生涯学習推進センターを整備する際,補助を行っている。同センターは,生涯学習情報の収集・整理・提供,調査研究,学習プログラムの開発,指導者研修,関係機関・団体との連携・協力等各種の事業を総合的に実施することが求められている。さらに,平成4年度からは,「社会教育施設活性化支援事業」に対して補助を行っている。これは,社会の変化に対応して,社会教育施設が地域の生涯学習の中核施設としてその期待される役割を果たし,「学習の場」,「交流の場」等としてより高機能化,多機能化するため,市町村における地域課題や学習需要等に応じた新しい事業を教育委員会を中心として独自に企画・開発することにより,地域における社会教育の一層の活性化を図る事業である。この事業では,例えば,公民館にビデオ学習コーナーを設け,ビデオ教材を活用した新しい学習活動を企画・開発する事業,図書館,公民館,学校が連携して実施する図書館ボランティア養成・派遣事業,公民館,学校,老人福祉施設等が連携して実施する地域間交流事業など様々な試みがなされている。


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