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2編 文教施策の動向と展開
第1章 教育改革の推進
第2節 教育改革の推進状況
2 臨時教育審議会答申の具体化


 文部省では,臨時教育審議会答申及び教育改革推進大綱を踏まえ,教育改革に係る各般の施策の具体化に努めている。

 これまでに文部省が進めてきた教育改革の主な施策を概観すると,次のとおりである。


(1) 法律改正等制度改正

 改革提言のうち法律の制定や改正を要するものについては,現在までに16の法案を提出し,うち14法案が成立を見ている(表2-1-1)。

 これらのうち,第123回国会(会期:平成4年1月〜平成4年6月)においては,「国立学校設置法及び国立学校特別会計法の一部を改正する法律案」を提出し,成立を見た。

 これにより,国立大学の教育研究環境の改善を図るべく,国立学校施設の老朽化,狭隘化を解消するための「特別施設整備事業」を実施するため,新たに国立学校特別会計に「特別施設整備資金」を設置するとともに,関連して,国立学校の財務の改善に資するため,所要の業務を行う機関として,「国立学校財務センター」を新設した。

2-1-1 国会提出教育改革関連法案  



 以上のような法律の制定や改正のほか,政令や省令等の制定や改正を要するものについては,それぞれ所要の措置を講じている。

 平成3年6月以降に講じられたものとしては,平成3年6月に大学等の設置基準の大綱化や自己点検・評価システムの導入などを内容とする大学,短期大学,高等専門学校の設置基準の改正を行うとともに,学位制度の見直し及び学位授与機構の創設に伴い,学位規則を改正し,平成3年7月1日から施行した。

 また,在外教育施設について文部大臣の指定制度を認定制度へ改めることを内容とする学校教育法施行規則等の改正を行い,平成3年11月14日から施行した。


(2) 行政運営上の工夫・改善

 文部省においては,改革提言について,必要に応じ都道府県や大学等に対し,通知を出すなどにより,積極的な取組を求めたり,開かれた文教行政を目指して,その時々の文教行政の概況と政策に関する情報を積極的に広く社会に提供するため,様々な広報資料を刊行するなどして,種々の行政運営上の工夫・改善を行っている。

 広報資料については,例えば,昭和63年度から毎年刊行している「我が国の文教施策」(いわゆる教育白書)は,昭和63年度には「生涯学習の新しい展開」,平成元年度には「社会の変化に対応する初等中等教育」,平成2年度には「新しい高等教育の構築を目指して」,平成3年度は「世界に貢献する学術研究」を各々特集テーマとして詳しく解説するとともに,教育・学術・文化・スポーツの各分野における施策の現状等についてもそのあらましを述べている。

 また,「大学審議会ニュース」を刊行し,審議会の審議状況等を広く紹介するなど広報に努めている。


(3) 審議会等における検討

 改革提言の中には,文部省において具体化方策を更に検討した上で施策を講ずることが適当と考えられる課題や中長期的観点に立って検討することが必要な課題も多い。これらについては,関係審議会において鋭意検討を進め,結果のまとまったものについては,逐次,所要の措置を講じている。

 中央教育審議会では,平成元年4月,「新しい時代に対応する教育の諸制度の改革について」諮問を受け,後期中等教育の改革とこれに関連する高等教育の課題,及び生涯学習の基盤整備について,審議を行い,平成2年1月に「生涯学習の基盤整備について」,平成3年4月には「新しい時代に対応する教育の諸制度の改革について」答申した。

 また,平成2年8月に発足した生涯学習審議会は,平成3年2月に「今後の社会の動向に対応した生涯学習の振興方策について」諮問を受けて,1)一人一人の学習の成果を生かしたボランティア活動の推進,2)社会人を対象とした体系的・継続的なりカレント教育の推進,3)時代の要請に即応した現代的課題に関する学習機会の充実,4)青少年の学校外活動の充実などについて審議を行い,平成4年7月に「今後の社会の動向に対応した生涯学習の振興方策について」答申した。

 さらに,大学審議会では,昭和62年10月に「大学等における教育研究の高度化,個性化及び活性化等のための具体的方策について」諮問を受けて審議を進めており,昭和63年12月には「大学院制度の弾力化について」,また,平成3年2月には「大学教育の改善について」,「学位制度の見直し及び大学院の評価について」,「学位授与機関の創設について」,「短期大学教育の改善について」,「高等専門学校教育の改善について」答申した。さらに,5月には,「平成5年度以降の高等教育の計画的整備について」,「大学院の整備充実について」,「大学設置基準等及び学位規則の改正について」,6月には「高等専門学校設置基準の改正について」,11月には「大学院の量的整備について」答申した。同審議会は,引き続き大学の組織運営の活性化,大学入試の改善等の課題について審議を進めている。

 学術審議会では,平成2年12月に「21世紀を展望した学術研究の総合的推進方策について」諮問を受け,学術研究の基本的な考え方,研究体制の整備,研究者の養成・確保,研究費の充実,学術国際交流の推進等について,長期的かつ総合的な観点から審議し,平成4年7月に「21世紀を展望した学術研究の総合的推進方策について」答申した。

 これらの審議会における検討のほか,現在,特に能力の伸長が著しい者に対する「教育上の例外措置」,「社会人継続教育の推進企画」,「高等学校教育の改革推進」,「日本語教育推進施策」,等の具体化方策について学識経験者等による協力者会議等の協力を得つつ,鋭意検討を進めている。

 なお,第14期中央教育審議会答申の諸提言の実現など,時代の進展や社会の変化に適切に対応した文教政策の企画立案を行うためには,文部省及び都道府県教育委員会等における調査研究・分析,情報提供など機能の一層の充実・強化が必要であることから,平成4年度から,「文教政策の企画立案のための総合的調査研究」を実施し,専門家等の協力を得つつ,民間の調査研究機関や都道府県教育委員会などに対して調査研究を委託し,その成果を文教政策の企画立案のための基礎的資料として活用することとしている。


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