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2編 文教施策の動向と展開
第1章 教育改革の推進
第1節 21世紀に向けての教育改革


 我が国の教育は,戦後,教育の機会均等の理念の下に,教育を重視する国民性や国民の所得水準の向上等により著しく普及・発展し,我が国の経済,社会,文化の発展の原動力となってきた。

 しかし,近年における社会の急激な変化や教育の量的拡大は,教育の在り方にも大きな影響を与え,今日,学歴偏重の社会的風潮や受験競争の過熱化,青少年の問題行動,あるいは学校教育の画一性・硬直性など様々な問題が指摘されるに至っている。また,産業・就業構造の変化,急激な高齢化,情報化社会の進展,各分野における国際化の趨勢など,社会の変化や文化の発展に対応する教育の実現も強く求められている。

 このような諸課題に取り組むため,昭和59年8月,内閣総理大臣の諮問機関として総理府に「臨時教育審議会」が設置された。同審議会は,21世紀に向けて我が国が創造的で活力ある社会を築いていくため,教育の現状における諸課題を踏まえつつ,時代の変化に対応する教育の実現を期して,教育及びこれに関連する諸分野について幅広い観点から精力的な審議を行い,4次にわたる答申を行った。

 同審議会は,今次教育改革の基本理念として,1)個性重視,2)生涯学習体系への移行,3)国際化,情報化など時代の変化への対応の三つの原則を示し,広範多岐にわたる改革方策を提言した。文部省においては,同答申を踏まえ,教育改革を積極的に推進している。

 また,これらの施策の着実な実施とともに,中長期的観点から我が国の教育の在り方を不断に検討していくことが重要であることから,第14期中央教育審議会が平成元年4月に発足し,精力的な審議の結果,平成2年1月には「生涯学習の基盤整備について」,さらに,平成3年4月には,高校教育の改革,受験競争の緩和,生涯学習社会への対応などを内容とする「新しい時代に対応する教育の諸制度の改革について」答申した。また,大学審議会は,昭和62年10月に「大学等における教育研究の高度化,個性化及び活性化等のための具体的方策について」諮問を受け,審議を進め,逐次答申を行っている。さらに,生涯学習審議会は,平成3年2月に「今後の社会の動向に対応した生涯学習の振興方策について」諮問を受け,平成4年7月に答申を行い,学術審議会は,平成2年12月に「21世紀を展望した学術研究の総合的推進方策について」諮問を受け,平成4年7月に答申を行った。

 現在,世界は大きな変動期を迎え,我が国は国際社会に対して積極的に貢献していくことが求められている。また,我が国社会の急速な変化の中で国民は単に経済的な豊かさだけでなく,生活の充実感,文化的な豊かさ,生きがいなどが実感できる物心共に豊かな社会を求めるようになっている。これらを実現し,我が国が創造的で活力ある文化の香り高い国家として発展するために,教育・学術・文化・スポーツの果たす役割は今後一層重要となる。文部省は,このことを踏まえ,今後ともたゆまざる教育改革を推進し,社会の変化や国民の要請に応じた文教施策を展開していくこととしている。


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