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2部   文教施策の動向と展開
第9章  情報化の進展と教育の対応
第5節  文教施設の情報化と情報ネットクークの整備
3  生涯学習情報提供の推進


生涯学習社会の基盤の一つとして,人々の多様化・高度化した学習要求に対して,適切な生涯学習情報の提供や学習相談に応じられる体制を整備することが重要である。

各地方自治体においては,施設,人材,事業などに関する情報を収集,整理,提供するとともに,学習の内容,方法について相談を行うシステムの整備が進められている。

さらに,民間レベルでも,都市部を中心に学習情報を提供する企業や団体が増加してきており,昭和63年1月には,地方自治体や民間の企業,団体等文化・学習情報を提供する機関の連絡協議会が設立され,全国レベルの情報のネットワーク化に向け協議を行っている。

文部省では昭和62年度から,地域における生涯学習情報提供・相談体制の整備を進めるため,「生涯学習情報提供システム整備事業」の補助を行っている。この事業においては,地域住民の学習活動を援助するため,県と市町村が一体となって,コン4ピュータ等を利用して各種の生涯学習情報のデータベース化,ネットワーク化を図り,地域住民にとって,最も身近な公民館等において,適切な生涯学習情報の提供や相談に応じられる体制を整備することとしている。これまでに,8府県において,この事業による生涯学習情報のネットワーク化等が行われている。

このほか,多くの市町村において生涯学習基盤整備の・環として,生涯学習情報提供・相談体制の整備が進められている。

また,(財)日本視聴覚教育協会は昭和62年度に文部省の補助を受けて,「視聴覚教材情報全国システム(AVPUB)」を整備している。このシステムには,「視聴覚教材情報データベース」と「視聴覚教育電子掲示板」があり,パソコンと電話回線を使って,いつでも,全国どこからでも,希望する映像教材を検索したり,研究会,教材利用報告などのいろいろな情報が手軽に収集でき,さらに,利用する人たちがお互いに情報を交換することができる。この視聴覚教材情報データベースには,平成2年3月末現在,16ミリ映画,スライド,ビデオカセット,ビデオディスクなどの映像教材に関するデータが約4,000件登録されている。

公立図書館では,昭和62年10月現在,約27%の館がコンピュータを導入し,図書や資料のデ,―タベース化を図り,検索,退出,管理,統計等の幅広い業務に活用するとともに,本館と分館との間のオンライン化も進められている。

博物館においても,現在,個々の博物館で自館所蔵資料等についてのデータベースを構築しているもの,あるいは構築の努力をしているものはあるが,展示及び教育普及活動の一層の充実・拡大を図っていくため,今後,複数の博物館を結ぶネットワークの形成を進める必要がある。

また,文化財保護に関する行政需要への迅速な対処,研究者への情報提供のほか,生涯学習の振興の観点から,我が国の文化財に関する各種の情報を最新の情報処理技術と機器を用いて収集・整理し,効率的に活用するシステムを構築することが重要な課題となっている。このため,文化庁では,平成元年度から,文化庁,国立の博物館,文化財研究所を始め全国の博物館,研究機関間の相互情報ネットワークの在り方について調査研究を行っており,平成2年度においては,システムの在り方等に関する総合的調査研究及びシステムの基本構想の策定を進めている。

今後の生涯学習情報提供の推進の方向について,生涯学習情報提供システムの整備に関する調査研究協力者会議報告「生涯学習のための学習情報提供,相談体制の在り方」(昭和62年7月)では,図書館,博物館,その他の施設との学習情報の全体的なネットワークを構築すること及び学習情報によっては県域を越えたネットワークを構築し,広域的に活用されるようにすることを提言している。

このため,文部省では,平成2年度にお,いて,国民が身近に,簡単な方法で全国の生涯学習情報を利用できるようにするため,都道府県システムの相互利用の方策,全国的に利用される生涯学習情報のデータベースの構築,都道府県等における生涯学習情報の提供を支援するための全国の生涯学習情報のセンター的機能の在り方について調査研究を行っている。


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