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2部   文教施策の動向と展開
第8章  国際化の進展と教育・文化・スポーツ
第3節  教育・文化・スポーツ・における国際交流・協力
1  教育の国際交流・協力



(1) 教員,研究者等の交流

小・中・高等学校等教員の現職研修の一環として,教員の国際的視野を広め,教員としての自覚を高めるために,毎年約5,000人の教員を海外に派遣している。

2-8-1  文化協定等締結国―覧

国際理解教育の推進のため,中等教育段階の教員をオーストラリア,ニュージーランド等に派遣するとともに,相手国からも交換教員を受け入れている。

また,国際交流基金の「中学,高校教員招へい計画」(平成元年度242人)や国際協力事業団(JICA)の「21世紀のための友情計画」(同年度教員参加者173人)により,外国の教員が我が国に招待されており,文部省及び都道府県教育委員会の協力の下に,我が国の教員との交流を行っている。

大学等の教員・研究者については,大学教育の充実,教授・研究能力の向上及び学術研究の推進の観点から,文部省の在外研究員制度,外国人教師・講師制度や日本学術振興会の事業等を通じて,昭和63年度において5,700人の教員・研究者を海外に派遣し,3,127人の教員・研究者を受け入れている( 2-8-2 , 2-8-1 )。

研究者等の交流については,特に,日米間の研究者等の交流計画としていわゆるフルブライト計画がある。これは,昭和26年以来,アメリカ側の経費負担の下に実施されてきたが,54年からは日米教育委員会を新たに設置するとともに,日米両国でその経費を負担することになっている。平成2年度においては,我が国の拠出金を増額し,米国人奨学生の受入れの拡充を図ることとしている。昭和27年以来,本計画により日米両国合わせて約6,600名の研究者・大学院生等の交流が行われている(平成2年度大学院学生・研究者等合計131名)。

さらに,「国連婦人の十年」以降,各地域において婦人の国際交流が活発になってきており,地方公共団体が行う「婦人国際交流フエスティバル」や婦人団体の国際交流事業に対して助成しているほが,国立婦人教育会館では,アジア太平洋地域の開発途上国の婦人教育関係者を招いて行う「海外婦人教育情報専門家情報処理研修」などの各種の研修を行っている。

2-8-2  文部省関係事業による教員・研究者の派遣・受入れ

2-8-2  文部省関係事業による教員・研究者の派遣・受入れ (主要国実績)

これらのほか,諸外国の教育・学術・文化の分野で優た業績を持ち,かつ指導的な地位にある者を我が国に招待し,我が国の関係者との意見交換,講演等を行う事業や,我が国の社会教育の指導者を海外に派遣して各国の社会教育関係者等と意見交換を行う事業等を実施している。例えば,平成2年度には,アジア,南太平洋地域における成人教育の関係者がインドネシアのジャカルタに集い,主としてアジアにおける識字問題などをテーマに会議を開く予定である。


(2) 青少年の交流

次代を担う青少年の国際交流を推進することは,諸国民間の国際理解を増進する重要な方策の一つであり,従来から様々な方法により,青少年の国際交流が実施されている。


1) 青少年の国際交流活動

世界各国の青年を日本に招へいする外務省の「青年日本研修」や総務庁の「世界青年の船」,国際協力事業団(JICA)の「21世紀のための友情計画」のほか,全国各地では,各都道府県・市町村や社会教育関係団体,民間団体が積極的に青少年の国際交流を実施している。

文部省では,(社)中央青少年団体連絡協議会,(財)世界青少年交流協会,(財)ボーイスカウト日本連盟,(社)日本青年奉仕協会等が実施する青少年の国際交流事業に対して助成しており,これらの国際交流事業により,合計656名を派遣し617名を受け入れている(平成元年度)。

また,国立オリンピック記念青少年総合センターを中核とした国立青少年教育施設においても「アジア地域青少年(教育)施設指導者研修」や「青年国際セミナー」など,種々の国際交流事業を実施している。


2) 海外への修学旅行等

昭和63年度において海外への修学旅行を行った高等学校は,延べ204校(公立22校,私立182校)であり,参加生徒は延べ5万728人となっている。なお,主な行き先は韓国87校,中国39校,アメリカ25校の順となっている。海外への修学旅行は,外国への旅行を通じ,外国人との交流や,外国の文物に接する機会を得,国際理解を深めるなど意義あるものであるが,我が国とは交通事情,通信連絡体制,医療体制等の異なる地への旅行であることから,安全確保等に万全を期する必要がある。昭和63年3月,中国上海市郊外で起こった列車事故において,修学旅行中の高知学芸高等学校の生徒等が多数死傷し,国民の間に深い悲しみをもたらしたことは今なお記憶に新しい。海外修学旅行の安全確保を図るため,昭和63年3月及び平成元年2月に通知を発し,外務省を通じ,必要な情報を入手したり事前相談を行うなどして,十分な配慮をするようにすることなどの指導を行っている。また,中国における事故をきっかけとし,学校における修学旅行,遠足などを対象とする「学校旅行総合保険」が日本損害保険協会等で開発され,新たに設けられた。


3) 高校生の派遣・受入事業等

高校生交流に実績を有する公益法人等((財)エイ・エフ・エス日本協会,YFU日本協会等)の実施している事業について,高等学校への周知を行うとともに,一部事業に対して補助し,その推進を図っている。また,アメリカ,西ドイツ両国政府の高校生招致事業に協力して我が国の高校生を派遣する一方,アセアン諸国の日本語を専攻する高校生を受け入れる事業を実施しており,平成元年度からは,我が国の都市と姉妹提携関係にあるアジア・太平洋諸国から日本語専攻高校生を受け入れている。

これらの事業による派遣・受入人数は年々増加する傾向にあり,平成元年度には,日本人高校生の派遣が2,100人,外国人高校生の受入れが1,270人となっている(表2-8-3)。なお,外国の高等学校と姉妹校提携を実施している高校は404校であり(平成元年7月1日現在),その主な提携先はアメリカが最も多く,次いで韓国,オーストラリア,中国の順となっている(表2-8-4)。

さらに,高校生の国際交流に関して,臨時教育審議会は「高校生の外国の高等学校における修学を日本国内における履修とみなし得るような措置を講ずる」との提言を行っている。この提言をも踏まえ,昭和63年2月,学校教育法施行規則の一部を改正し,外国の高等学校における履修を30単位の範囲で国内における履修とみなし得る高校生の

2-8-3  高校生交流実績

2-8-4  公・私立高等学校における姉妹校提携状況

留学の制度を設けた(特殊教育諸学校高等部及び高等専門学校についても同様の措置を講じた)。その結果,必ずしも休学することなく留学し,また,帰国後も相当学年に復帰できる道が開かれることとなった。

最近,高校生の留学は増加しており,3か月以上にわたって外国の高等学校において学習した高校生の数は,留学制度発足以前の昭和61年度では3,165人であったものが,昭和63年度には4,283人となっており,2年間で35%の増加がみられた。

高校生の留学は,それが適切な配慮の下に円滑に実施された場合には教育上有益であると考えられる。しかし,近年,安易な気持ちで留学を希望する生徒の増加,留学制度の趣旨についての関係者の理解の不足,留学先の教育や社会事情についての情報不足,留学斡旋団体の配慮不足等に伴う各種の問題等が指摘されるようになってきた。

今後,高校生の海外での学習の機会は更に広がり,その目的も多様なものとなっていくものと予想されるので,高校生の望ましい留学の在り方について,幅広い視野に立って検討するため,平成元年8月,学識経験者等からなる「高等学校における留学等に関する調査研究協力者会議」を発足させ,同会議は,平成2年6月報告をまとめた。同報告では,高等学校における留学の在り方,留学に関する体制の整備,留学斡旋団体における対応,留学に関する情報提供体制の整備,生徒及び保護者において留意すべき事項,さらに高等学校における外国からの留学生の受入れ,姉妹校提携の在り方などについて種々の提言を行っている。

特に,生徒の安全で円滑な留学の実施については,留学制度の趣旨の徹底及び留学等に関する実態調査の定期的実施,留学斡旋団体に関する調査の実施やガイドラインの設定など,文部省において講ずべき必要な施策についての提言がなされており,その趣旨を踏まえ,関係団体とも協議し,所要の措置を講ずることとしている。


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