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2部   文教施策の動向と展開
第7章  文化の振興
第6節  伝統分化の継承と保存
3  史跡等の整備



(1) 指定

貝塚・古墳・城跡等の遺跡,庭園・峡谷・海浜等の名勝地及び動物・植物・地質鉱物である記念物のうち重要なものをそれぞれ史跡,名勝及び天然記念物に指定し,さらに,そのうち特に重要なものをそれぞれ特別史跡,特別名勝及び特別天然記念物に指定して,その保護を図っている。

史跡については中世の城郭,産・交通関係遺跡等,名勝については庭園,天然記念物については動植物の全国実態調査の結果保存すべきものとされたものなどに重点を置いて指定を進めている。

平成元年度においては,新たに我が国の磁器を代表する柿右衛門様式の優品を専業的に生産した登窯跡である柿右衛門窯跡(佐賀県)など16件を史跡に,江戸末期の大名庭園である養翠園(和歌山県)など2件を名勝にそれぞれ指定した。


(2) 史跡等の公有化・整備

史跡等について,その保護と開発行為等の必要性との間で最終的に調整がつかない場合には,国庫補助により対象の土地等を公有化して史跡等の保護を図るとともに,現状変更等を規制されたことによる所有者等の経済的損失を補填している。

また,史跡等を将来にわたって保存するため,国庫補助によりその整備を行っている。しかし,これまでの整備は主として史跡等の現状保存を重視して行われてきたため,史跡等の活用のための施策が強く望まれており,平成元年度からは,「ふるさと歴史の広場」(史跡等活用特別事業)として,往時の建物の実物大復元,遺跡の全体模型の設置,遺構露出展示施設やガイダンス施設の設置等を行うなど,新たな観点からの活用整備を進めている。この事業は,平成2年度分を含め,史跡根城跡(青森県)など全国16か所において実施されている。

平城宮跡及び飛鳥・藤原地域番三ついては,我が国古代の都が置かれたところとして重要であり,貴重な遺跡が数多く残されている。このため,これらを史跡,特別史跡に指定するとともに,そのほとんどについて,直接文化庁が指定地の買上げ,発掘調査及び整備を行っている。

佐賀県の吉野ケ里遺跡においては,昭和61年5月から平成元年4月にかけて行われた発掘調査の結果,弥生時代の大規模な環濠集落,墳丘墓,盗棺墓などの遺構と有柄銅剣,鏡,管玉などの遺物が検出され,広く国民の関心を集めた。このため,文化庁では,平成2年5月19日,同遺跡を史跡に指定するなど,保存と整備を図ることとしている,


(3) 天然記念物の食害対策

カモシカ及びツルの食害対策に関しては,文化庁では,これらの保護を図りつつ,食害を防止するため,下北半島地域を始め全国12地域にカモシカの保護地域を設けるとともに,国庫補助により保護柵設置や各種の調査等を行っている。


(4) 埋蔵文化財の保護

貝塚,古墳,住居跡等土地に埋蔵された文化財(埋蔵文化財)を包蔵する土地(埋蔵文化財包蔵地)は,全国に約30万が所程度所在するものと考えられている。こうした土地で土木工事等を行う場合には,事前に文化庁長官への届出又は通知を要することとし,また,工事等による新たな遺跡の発見についても同様の制度を設け,埋蔵文化財包蔵地を一定の保護の下に置いている。

近年,開発事業等に伴う埋蔵文化財の発掘件数が急増しているが,埋蔵文化財の保護と開発事業等との調整を図るため,「全国遺跡分布地図」を作成し,埋蔵文化財包蔵地の周知に努めている。さらに,発掘調査の円滑・,迅速な対応のため地方公共団体に対し,その調査体制を整備するよう指導するとともに,公立埋蔵文化財センターの設置に対し国庫補助を行いその充実を図っている。

なお,こうした発掘調査によって新たな学術的知見をもたらすような発見がなされることも少なくなく,発掘された遺跡の中には,その学術的重要性が明らかになった段階で史跡指定の運びとなるものもある。


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