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2部   文教施策の動向と展開
第7章  文化の振興
第6節  伝統分化の継承と保存
2  国宝・重要文化財等の保存



(1) 指定・選定

国は,絵画,彫刻等の美術工芸品及び建造物である有形文化財のうち重要なものを国宝・重要文化財に指定している。また,城下町,宿場町など歴史的景観を形成している集落,町並みについて,市町村が伝統的建造物群保存地区に決定したもののうち価値の高いものを市町村の申出に基づき重要伝統的建造物群保存地区として選定している。

これらのうち,美術工芸品の指定に関しては,彫刻にあっては,奈良,平安,鎌倉時代のものの指定が中心であるが,絵画,彫刻,工芸品,書跡等にあっては,現在は室町,桃山,江戸時代のものに重点を移しており,また,考古資料,歴史資料にあっては,まとまりを持つ歴史的な資料に重点を置いて指定の促進を図っている。

平成元年度においては,新たに合戦図屏風の中で異彩を放つ大坂夏の陣図六曲屏風,弥生時代社会発達史をみる上で欠かせない一括資料である墳墓群佐賀県二塚山遺跡出土品など68件を重要文化財(美術工芸品)に指定した。

建造物の指定については,全国的な調査がほぼ終了した近世社寺建築に重点を置いて指定しているほか,明治末期以降の近代建築についても調査を行い,指定を進めている。また,平成2年度からは,江戸時代末期から昭和初期にかけて近代的手法によって造られた産業・交通・土木に関する文化財建造物について技術革新や近年の都市の再開発などにより取壊しや改革が急速に進行している現状にかんがみ,新たに日本近代化遺産総合調査を実施し,これらの所在リストの作成,重要遺構の選定・調査を進め,指定のための基礎資料を得ることとしている。

伝統的建造物群保存地区については,近世,近代の歴史的集落,町並みで市町村及び住民がその保存に積極的に取り組んでいる地区に重点を置いて選定している。

平成元年度には,近世社寺建築の特色を備えた霧島神宮社殿(鹿児島県)など29件を重要文化財(建造物)に指定し,また,函館市元町末広町の歴史的な港町を重要伝統的建造物群保存地区に選定した。


(2) 管理,保存修理,防災等

国指定文化財の管理,保存修理等は,所有者が行うのが原則であるが,所有者による管理が適当でないなどの場合には,文化庁長官が地方公共団体等を管理団体に指定して必要な管理,修理等を行わせている。

美術工芸品,建造物については,国庫補助により,それぞれ修理を必要とする周期等を踏まえ,計画的に修理を実施するとともに,保存・防災のための施設・設備の設置等の事業を行っている。

また,重要伝統的建造物群保存地区については,伝統的建造物等の保存修理,公有化,防災施設の設置等の事業について補助している。

平成2年度においては,新たに臼杵市の磨崖仏を風雨から保護するための覆屋の設置や破損が甚だしく修理に緊急を要する建造物についての緊急屋根葺替事業を実施する。

さらに,国宝・重要文化財等のうち,海外流失の防止等のため国において保存する必要のある文化財については,文化庁が計画的に購入して国立博物館等で公開するなど,その保存・活用を図っている。


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