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2部   文教施策の動向と展開
第7章  文化の振興
第5節  国語施策,著作権施策及び宗務務行政の推進
1  国語施策の充実



(1) 国語施策の目的と役割

国語は,文化の基盤を成すものである。社会が発展し向上していくために,また,文化を創造し継承していくために,国語の果たす役割は極めて大きい。国民が社会生活の中で相互に十分に意志を通じ合うことができるように,そして,生活能率を高め文化水準を向上させることができるようにするためには,言葉や文字の使い方について合理的な標準を設けることが必要である。

社会生活が複雑になるにつれて,言葉も豊富になり複雑になるなど,時代の変化とともに国語は変化するが,国語施策もこれに適切に対応していかなければならない。


(2) 国語の改善等
1) 戦後国語施策の見直し

国語の問題を審議する機関として,政府は,各界を代表する学識経験者や専門家で構成する国語審議会を設けている。国語審議会における高い識見と専門性に基づく慎重かつ公正な審議に基づいて,国語施策は実施されている。

国語審議会は,昭和41年の文部大臣の「国語施策の改善の具体策について」という,当用漢字,送り仮名,仮名遣い等の見直しに関する諮問を受け,今日まで,これら一連の戦後国語施策について再検討を加え,改善を図ってきた。すなわち,戦後間もなく実施されたこれらの施策については,その後の実施過程において,例えば,送り仮名については送り過ぎの傾向があったこと,当用漢字については制限的な性格をもっていたことや必要な字種,音訓が入っていなかったことなどに対する批判や問題点の指摘があったため,これを見直すこととし, 2-7-3 のとおり逐次改善を図ってきた。

今日の「送り仮名の付け方」(昭和48年),「常用漢字表」(昭和56年)及び「現代仮名遣い」(昭和61年)は,いずれもその適用範囲を「法令,公用文書,新聞,雑誌,放送など,一般の社会生活」とし,「科学,技術,芸術その他の各種専門分野や個々人の表記にまで及ぼそうとするものではない」ことを明記するとともに,従来の制限的画一的な性格を改めて,「目安」,「よりどころ」という緩やかで弾力的な性格のものとしている。

現在の国語審議会は,昭和62年1月以降,「現代仮名遣い」に関連する事項として,外来語の表記の検討を行っている。平成2年3月1日には「外来語の表記(案)」を外来語表記委員会試案として公表した。この試案は,現代にふさわしい外来語の表記の在り方に配慮して作成されたもので,適用範囲や性格については上記の諸答申の考え方を踏襲しており,外来語や外国の地名,人名を書き表す場合の仮名として「ティ」「ディ」「ファ」「フィ」「フエ」「フォ」や「ヴァ」「ヴィ」「ヴ」「ヴエ」「ヴオ」などを第1表,第2表に分けて掲げ,その使い方を示したものである。

2-7-3 国語審議会主要答申と実施状况


2) 美しく豊かな言葉の普及

国語審議会は,昭和47年6月に「国語の教育の振興について」を建議し,その中で国語が平明で,的確で,美しく豊かであることを望み,国民全体が国語に対する意識を高め,国語を大切にする精神を養うことが極めて重要であるとして,学校教育,社会教育及び家庭教育の各分野における国語教育の振興を提言した。

文化庁では,この趣旨に基づき,広く関心の持たれている言葉に関する問題を取り上げてやさしい解説を加えた「ことばシリーズ」(解説編・問答編)を昭和48年度から作成し,全国の小・中・高等学校,社会教育機関等に無償配布している。

また,昭和55年度からは,映像・音響効果を活用したビデオテープによる「美しく豊かな言葉をめざして」のシリーズを作成し,全国の視聴覚ライブラリー等に無償配布している。

2-7-4  「ことば」シリーズ(解説編)の標題―覧

2-7-5「美しく豊かな言葉をめざして」の標題一覧


(3) 国立国語研究所における調査研究と事業

昭和23年12月に設置された国立国語研究所は,国語及び国民の言語生活に関する科学的調査研究を行い,併せて国語の合理化の確実な基礎を築くための事業を行う機関として,現代語,国民の言語活動,国語の地域的時代的変化,国語の教育について計量的方法を用いた調査研究を行っている。また,昭和51年10月には,外国人に対する日本語教育の振興を図る目的で日本語教育センターを設置し,日本語に関する基礎的研究を行うほか,教材の開発や日本語教員に対する長期及び短期の研修を行っている。


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