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2部   文教施策の動向と展開
第7章  文化の振興
第1節  施策の概要


経済生活の向上,自由時間の増大等を背景に,国民の文化に対する関心が急速に高まっている。こうした傾向は,各地域で多様で,豊かな文化活動の展開という形となって表れている。また,その形態は,単に芸術文化を受動的に鑑賞するものにとどまらず,国民自らが主体的に参加する形態の文化活動が増加する傾向にある。

このような中で,国民一人一人が優れた芸術文化を鑑賞するとともに,自らが新しい文化を創造していける環境の醸成と基盤の確立を図ることが緊急の課題となっている。

もとより文化活動は国民自らの自主的,創造的活動に負うものであるが,文化政策の役割は,全国的発表の場の提供,財政的援助等を通じてこれらの文化活動を側面から支援していくことにある。

こうした文化政策の役割を踏まえつつ,平成元年度において芸術文化振興基金を創設したところであるが,平成2年度においては,特に次の5点を重点事項として文化の振興に努めている。

第一は,優れた芸術創作活動の奨励である。文化活動は水準の高い芸術により刺激され促進されるものである。このため,新たに創設された芸術文化振興基金による助成を含む水準の高い芸術創作活動への助成や,芸術活動の担い手である芸術家の研修・顕彰などの事業を通じて芸術文化の水準の向上に努めている。

第二は,第二国立劇場(仮称)の整備推進である。オペラ,バレエ,ミュージカル,現代舞踊,現代演劇等我が国現代舞台芸術の殿堂となり,文化の国際交流の拠点ともなる第二国立劇場(仮称)については,特殊法人日本芸術文化振興会をその設置主体とし,早期開場を目指して建設計画を推進するとともに,柿落し公演の諸準備等を行っている。

第三は,地域における文化の振興である。地域に根ざした伝統文化の継承や地域の特色を生かした新しい文化の創造を図るため,地域における特色ある文化事業の実施,優れた芸術の巡回公演,全国的規模の文化イベントの開催等を通じて地域における文化の振興を図っている。

第四は,文化財の整備・活用の推進である。長い歴史の中で生まれ,継承されてきた国民の貴重な財産である文化財を保存するとともに,積極的に国民生活の中で生かされ,親しまれるよう活用を図っていくことが必要となっている。このため,文化財のうち重要なものを国宝・重要文化財等に指定・選定するとともに,保存修理,伝承活動等に対する助成等を行い,文化財の保存・活用に努めている。

第五は,文化の国際交流の推進である。他文化との交流により我が国の文化を一層豊かなものにするとともに,経済大国となった我が国が文化面でもそれにふさわしい国際的貢献を果たしていることが求められている。このため,「芸術フェローシップ」を始めとする芸術家・専門家の派遣・受入れ,展覧会・公演等による交流,文化遺産保存修復協力など文化の国際交流に係る諸施策を推進している。

また,文化政策の役割が増大していく中で,情報化や国際化という新しい時代の要請に対応した総合的な文化政策の展開を図っていくことが課題となっている。このため,平成2年度には文化庁に文化政策室を設置するなど,文化政策の格段の充実を図ってきた。

今後,国民の文化に対する関心の高まりに積極的に対応し,文化振興のための諸条件のより一層の整備充実を図っていくことが緊急の課題となっている。


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