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2部   文教施策の動向と展開
第6章  体育・スポーツ及び健康教育の振興
第5節  健康教育の充実
4  学校給食の充実



(1) 学校給食の現状と給食指導の充実

学校給食は,児童生徒の心身の健全な発達を図り,国民の食生活の改善に寄与することを目的として実施されており,学校教育の一環とじて我が国の学校に定着している。

平成元年5月現在,学校給食の実施率(児童生徒数比)は,小学校でほぼ100%,中学校で83%であり,このうち完全給食の実施率は,小学校で98%,中学校で60%となっている (表2-6-6)

今日国民の食生活は,平均的には豊かになったといわれるが,子どもの偏食,肥満傾向児の増加などの栄養管理上の問題が広く指摘されている。さらに,社会構造などの変化に伴う家庭の在り方の変容は,朝食を欠いたり,独りで食事をとる子どもの増加など基本的生活習慣ともかかわる食生活上の問題を引き起こしており,また,各種の生活体験の不足や人間関係の希薄化が指摘されている。

学校給食は,実際の食事という生きた素材を通して,正しい食事の在り方や好ましい人間関係を体得するという点に大きな教育的意義がある。

したがって,これらの問題に対処するため,今後は,特に健康教育の推進の観点をも踏まえ,他の教育活動とも連携協力しつつ,給食指導の一層の充実を図ることが重要である。

2-6-6  学校給食実施率(幼児児童生徒数比)

こうした観点から,今回の学習指導要領の改訂に当たっては,学校給食の特質を生かした多様な指導方法の工夫と学校栄養職員の参画の重要性を強調するとともに,平成2年度から新たに新規採用学校栄養職員研修を開始し,教育指導力を始めその資質の向上を図っている。

また,児童生徒の基本的生活習慣や望ましい食習慣の育成のためには,児童生徒の生活の基盤である家庭や地域との連携を図ることが不可欠である。こうした取組を推進するため,昭和58年度から日本体育・学校健康センターにおいて「学校給食における学校・家庭・地域の連携推進事業」を実施しており,望ましい食生活について保護者や地域住民の関心を高めるなどの成果を上げている。


(2) 食事内容,食事環境の改善充実

学校給食においては,食事内容の多様化を図り,栄養を配慮した米飯の正しい食習慣を身に付けさせる見地から教育上有意義であるので,昭和51年度から米飯給食の計画的な推進を図っている。平成元年における米飯給食の平均実施回数は,週2.4回に達しており,今後とも週3回の実施を目途に,その一層の推進を図ることとしている。

また,学校給食の食事内容については,栄養面の充実はもちろん,児童生徒自身が献立を選べるバイキング給食や郷土食が取り入れられるなど,その多様化も図られ,更に充実したものとなりつつある。

食堂,食器具などの食事環境の整備は,マナーの習得など望ましい食習慣の形成に資するのみならず,潤いのある豊かな環境の中での楽しい食事を通して好ましい人間関係を育成することにも役立つものである。

昭和62年5月現在において食堂を保有する学校は,完全給食又は補食給食実施校の15%となっており,その数は 2-6-7 のとおり,目覚ましい伸びを示している。こうした食堂のある学校では,給食時の異学年間の交流や親子給食会,地域住民を招いての招待給食など様々な特色ある給食活動が行われている。文部省では,食堂の整備を促進するため,食堂の新増築補助に加え,昭和63年度から普通教室などの校舎の一部を改修してランチルームを整備する事業は対し補助を行っている。なお,平成2年度からは,共同調理場方式を採用している学校で食事内容に応じて適温で学校給食が行えるよう,適温給食設備の整備についても補助を開始した。

2-6-7  食堂を保有している学校数

また,食器具については,先割れスプーンのみ使用している学校が,依然として完全給食又は補食給食実施校の6%程度あるものの,はしの使用校は9割を超し,陶磁器や木製食器などの地場産物等を利用した食器を導入する学校が増えるなど改善が図られている。

こうした食事環境の改善を更に推進するため,日本体育・学校健康センターの「望ましい食事環境づくり研究委員会」においては,昭和63年度から食堂・ランチルーム,食器具等の整備を始めとする望ましい食事環境の在り方について総合的な観点から検討を行っている。平成元年度においては,望ましい食事環境について基本的な考え方を取りまとめ,これからの学校給食は多様で変化に富んだ会食形態を目指すべきであり,このため,今後,食事の場,食事内容を選択でき,食事メンバーも弾力化できるような食事環境づくりを提案している。


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