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2部   文教施策の動向と展開
第6章  体育・スポーツ及び健康教育の振興
第5節  健康教育の充実
1  教育の現状と課題


都市化,情報化など社会環境の急激な変化は,子どもの日常生活における身体的活動の減少や精神的負担の増大,さらには家庭における教育機能の低下をもたらすなど,子どもの心身の健全な発達に著しい影響を与えている。また,公衆衛生の充実や医療の進歩により,結核・トラコーマなどの感染症は急減したものの,食生活や生活行動の変化に伴い,疾病構造には大きな変化がみちれる。

こうした社会環境と疾病構造の変化は,従来の感染症対策を中心とする考え方,すなわち,疾病異常の早期発見,事後措置など,健康の回復・維持に重点を置く考え方を改め,心の健康を含め,より積極的に児童生徒の心身の健康の増進を図っていくことを求めている。

そのためには,例えば,成人病の予防には,若年期から成人病とそのリスクファクター(危険因子)について正しい知識を持ち,食事,運動,休養の調和のとれた生活を送ることが大切であるなど,各個人の生活行動の在り方そのものを重視する必要がある。このため,児童生徒の時期から,心身の科学的知識について理解させるとともに,人生の基盤となる健康・安全について認識を深め,実際の生活に生かすことができるようにすることをねらいとした教育・指導,すなわち健康教育の充実を図ることが重要となっている。

健康教育は,学校においては,学校保健,学校安全,学校給食などを中心とし,保健体育,家庭,理科などの各教科,道徳,特別活動などの各領域にまたがって実施されている。今後は,総合的な健康教育の推進という観点から,これらの各領域にわたる指導の密接な連携を図るとともに,児童生徒の生活の基盤である家庭や地域との連携を進めていく必要がある。

また,人生80年時代を迎え,社会教育においても,生涯にわたる健康教育の推進という観点から,青少年及び成人を対象とする心身の健康に関する学習活動を,一層充実していく必要がある。

さらに,学校教育,社会教育の場で実施されるこれらの学習活動について,相互に連携を図りつつ,生涯の各時期を通じての継続性を持たせることが必要であろう。

こうした観点から,現在,文部省においては,学校教育及び社会教育にわたる健康教育の指導内容の充実や指導体制の強化を図るための施策について保健体育審議会等で検討を行っている。

また,平成元年に公示した新学習指導要領においては,健康の保持増進に関する指導を学校の教育活動全体を通じて行い,生涯を通じて健康で安全な生活を送るための基礎を培うことが重要であることを強調した。

平成2年度においても,引き続き健康教育推進研究指定校の指定,健康教育に関する手引書の作成,全国健康教育研究協議会の開催等の施策を進めるなど,健康教育の総合的な推進を図っている。


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