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2部   文教施策の動向と展開
第6章  体育・スポーツ及び健康教育の振興
第3節  競術スポーツ振興
2  競技スポーツの振興方策



(1) 選手強化事業の充実

我が国の国際競技力向上のための選手強化に直接当たっている(財)日本体育協会,(財)日本オリンピック委員会や各競技団体の行う選手強化事業の充実を図るため,平成2年度予算においては,(財)日本体育協会に対する補助の大幅な拡充を元年度予算に引き続き行った。これにより,1)オリンピック競技大会等の国際競技大会で好成績が期待される有望選手を特別指定選手として指定し日常強化費を補助する事業,2)第一線コーチの資質向上と情報収集のための海外研修事業,等の拡充を図っている。

また,平成元年度から,3)1年間勤務を離れて選手の指導に当たる専任コーチの設置,4)海外から来日し1年間選手やコーチの指導に当たる海外優秀コーチの設置,5)選手に海外での経験を積ませ強化を図る海外特別強化合宿,6)優秀な素質を持つ選手を発掘するための研究,等の事業が行われている。


(2) 都道府県における競技力向上施策に対する援助

素質のある選手の早期発掘と養成を行うため,都道府県が各都道府県体育協会等の協力を得て,中,高校生を対象とする強化合宿やコーチの配置を行う競技力向上ジュニア対策事業に補助している。

また,我が国体育・スポーツの向上と振興に特に顕著な功績のあった者を文部省がスポーツ功労特別指導委員として委嘱し,都道府県の主催する体育・スポーツ事業における指導等に派遣している(平成元年度実績16競技26名,平成2年度千定15競技25名)。


(3) 文部省スポーツアドバイザーの設置及び指導者の資質向上

競技力向上施策の推進に当たっては,選手を始めとする現場の意見を反映させることが重要である。このため,平成元年度から,文部省スポーツアドバイザー委嘱事業を実施している。

この事業は,現役時代に自らが選手としてオリンピック競術界選手権大会等で優秀な成績を収めるとともに,引退後は後進の指導に意欲を持って取り組んでいる新進の指導者を文部省スポーツアトバイザーとして委嘱し,各自の貴重な体験に基づく意見を聴き,その意見を我が国の国際競技力の向上施策の推進に反映していくものである。

また,競技力の向上を図るため,資質の高い指導者の養成・確保が必要であることから,昭和62年1月に創設した社会体育指導者の知識・技能の審査事業の認定制度においても,競技力向上指導者の養成をその―分野としている。平成2年5月現在,陸上競技など17競技の競技力向上指導者(上級・中級・初級)の養成事業が文部省の認定を受けている。

さらに,広くスポーツ医・科学の研究者,コーチ等のスポーツ指導者,その他関係者が―堂に会して相互理解・連携協力を図りつつ,選手強化を推進するための諸問題について,研究協議や情報交換を行う場として,新たにスポーツコーチ国内サミット(仮称)を開催する。


(4) スポーツ医・科学の研究体制と強化拠点となる施設の整備

世界の競技水準の著しい向上に対抗するためには,科学的・体系的・組織的な選手強化が必要である。このため,スポーツ医・科学研究所とナショナルトレーニングセンターの設置が急務であると,臨時教育審議会,スポーツの振興に関する懇談会(内閣総理大臣の懇談会)等において提言されている。

文部省では,まず,かねてから設置準備を進めてきた「国立総合体育研究研修センター」(仮称)構想を発展させ,「国立スポーツ科学センター」(仮称)を設置するための準備を進めており,平成2年度には実施設計(2年計画の第1年次)に着手することとしている。このセンターは,国際競技力向上のためのスポーツ医・科学の研究や科学的トレーニングの場の提供等を一体的に行うことを目的としている。

なお,運動場,コート,体育館,水泳プールなどの各種のスポーツ施設及び宿泊施設を配置した各競技用のトレーニング施設を備えた総合的なナショナルトレーニングセンターの構想については,長期的な目標として検討を進める。


(5) 競技力向上のための資金の確保

世界の競技水準の著しい向上に対抗するためには,国や公営競技関係団体からの助成だけでなく,広く経済界その他民間からのより一層の支援が不可欠であるとして,スポーツの振興に関する懇談会,保健体育審議会等において,国と民間が協力して相当規模のスポーツ振興基金を設置し,その運用益を競技力向上を始めとするスポーツ振興に充てる必要があると提言されている。このため,平成2年度は,元年度に引き続き,スポーツ振興基金(仮称)の創設について検討を行うための調査研究を行っている。


(6) 国民体育大会の開催

国民体育大会は,昭和63年の第43回大会(冬季一群馬・岩手,夏・秋季=京都)から二巡目に入っている。

二巡目以降の国民体育大会の在り方については,(財)日本体育協会を中心に検討され,広く国民各層を対象とした国体を目指す方針が打ち出され,1)成年(18歳以上)層の参加の機会をより一層拡大するために,成年2部を設ける(なお,成年2部への参加資格は競技によって異なるが,例えば年齢,競技歴等を考慮した参加資格を設けるとともに,同一競技への参加は1回限りとしている。),2)総合成績採点方法を簡略化する,3)中学生の参加を認める等の変更が行われた。

なお,国民体育大会は昭和30年の第10回大会以来,(財)日本体育協会,国(文部省)及び開催地の都道府県の三者によって開催されているが,文部省では,共催の趣旨に沿って大会運営が行われるよう,(財)日本体育協会及び関係都道府県の代表と協議する場を新たに設け,相互の連絡を一層密にしていくこととしている。


(7) プロスポーツ

野球,相撲,ゴルフなどのプロスポーツは,国民各層に広く愛好者を持ち,特に青少年に対する影響力が大きい。また,アマチュアスポーツの振興にも多大の影響を与えている。さらに,近年の国際的情勢として,テニスなどの一部の競技では,オリンピック競技大会にもプロ選手の参加が認められてきている。

文部省では,こうした状況に対応した取組はもとより,プロスポーツの健全な発展を助長するため,関係団体等の組織の育成などの施策を進めている。


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