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2部   文教施策の動向と展開
第5章  社会教育の振興
第5節  社会教育の諸条件の整備
1  社会教育施設の整備


社会教育施設には,公民館を始め,図書館,博物館,青少年教育施設,婦人教育施設,視聴覚センター等がある。近年これらの施設の整備が進められるとともに,それぞれの目的に応じた各種の学習活動が活発に展開されている。また,最近,生涯学習センター等の名称で県立の総合的な社会教育施設を設けて,県民の学習要求にこたえている例が増大しつつある。この生涯学習センター等については第2章で,青少年教育施設,婦人教育施設,視聴覚センターについては本章の関係のところで述べているので,以下においては,公民館,図書館,博物館について述べる。


(1) 公民館

公民館は,戦後,我が国独自の社会教育施設として提唱され,整備が進められてきたもので,身近な日常生活圏域における社会教育活動の中心的な施設であり,地域住民の学習活動の拠点として重要な役割を果たしている。全国の公民館数は昭和62年10月現在で1万7,440館となっている。昭和61年度に公民館が実施した社会教育学級・講座の総数は13万7,016学級・講座 (図2-5-7) であり,1公民館当たり7.9学級・講座を開設している。また,諸集会の実施件数は25万5,901件であり,その内訳は,講習会等12万8,662件,体育事業6万2,045件,文化事業6万5,194件となっている。こうした学級・講座や諸集会への参加者は年間延べ3,672万人と推計される。さらに,これらの学級・講座や諸集会以外の施設の利用者は,昭和61年度間で約1億8,893万人に達している。

2-5-5  社会教育施設数の推移

2-5-6  社会教育施設利用者数の推移

2-5-7公民館における学習内容別学級・講座数

今後は,施設設備の整備や指導者の充実を図るとともに,既存施設を効率よく活用していくことも重要であり,地域の公民館類似施設を含めた各種施設とのネットワーク化を図るなど,多様な住民の学習要求にこたえていく施策を積極的に展開していくこととしている。


(2) 図書館

図書館は,住民の身近にあって,各人の学習に必要な図書や資料,情報を収集・整理し,提供する施設であり,一般には公共図書館と呼ばれている。

昭和62年10月現在の公共図書館数は,地方公共団体が設置する公立図書館が1,768館,法人等が設置する私立図書館が33館となっている。職員総数は1万4,609人であり,職員のうち専門的事務に従事する司書,司書補の数は6,046人となっている。なお,自治体のうち,市町村の図書館設置状況をみると,その設置率は,市が89%,町が22%,村が8%,全体では33%となっている。また,年間貸出冊数は,昭和61年度において,国民一人当たり約2冊に当たる2億4,000万冊の図書が貸し出されている。

公共図書館は逐年整備・充実が図られており,最近の12年間では図書館数は1,066館から1,801館と1.7倍,図書の貸出冊数は3.2倍と着実な伸びを示している (図2-5-8) 。年間貸出冊数が,住民一人当たり10冊を超える活発な貸出活動を行う自治体もある(昭和63年度は,北海道訓子府町,置戸町,千葉県成田市,大阪府豊能町,長崎県香焼町の1市4町)。最近では,CD(コンパクトディスク)やビデオテープ,ビデオディスクなどの新しい種類の資料を収集し,利用者のニーズに応じたサービスを提供するところも増えている。また,コンピュータが約27%の図書館で導入されており,図書の検索や貸出・返却などに利用され,さらには本館と分館,県立図書館と市町村立図書館などのオンライン化が進められるなど,利用者へのサービスの向上に活用されている。

なお,人々,の生活時間に対応して日曜開館や夜間開館を行うなど,弾力的な運営に取り組んでいる図書館が年々増加しており,昭和61年度において,日曜開館を実施している図書館は85%,18時以降も開館している図書館は37%となっている。

2-5-8  公共図書館の推移

文部省では,公立図書館の整備充実を図るため,昭和26年度から図書館施設の整備費に対する補助を行っており,平成元年度末までに796館に補助した。また,巡回文庫用自動車の整備,身体障害者のための点字図書・拡大読書機等の整備事業などを行う市町村等に補助している。

また,現在,地域における生涯学習の重要な施設としての図書館の具体的な在り方について検討を進めている。


(3) 博物館

博物館は,歴史,芸術,民俗,自然科学などに関する資料を収集,保管,展示し,これらの資料による実物教育を中心として,人々の知識や教養を高め,情操を豊かにする施設として重要な役割を果たしている。

昭和62年10月現在で,都道府県の教育委員会の登録を受けた博物館が513館,博物館に相当する施設として文部大臣又は都道府県の指定を受けた施設が224館ある。また,このほかに博物館と同種の事業を行うものが1,574館ある。

博物館の職員総数は,昭和62年現在,1万509人(1館当たり14.3人)である。職員のうち,博物館の専門的職員として,資料の収集,保管,展示及び調査研究に従事している学芸員及び学芸員補の数は,2,329人となっている。

博物館の入館者数は昭和61年度で延べ約1億2,019万人に及んでいる。

また,近年は,人々の学習需要の高まりにこたえるため,教育事業活動が活発に行われており,博物館が主催している映写会,研究会,講演会などの諸集会の参加者数は,昭和61年度で延べ195万人となっている。

今後の博物館の整備・運営に当たっては,特に博物館における教育普及活動の多様化・充実,資料の充実と展示の開発,学校教育との関係の緊密化,情報ネットワークの形成,職員資質の向上等に留意しつつ進めることが必要であり,このことについては更に検討を進めることとしている。


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