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2部   文教施策の動向と展開
第5章  社会教育の振興
第4節  多様ま学習機会の整備
1  成人一般の学習



(1) 学習機会の整備

今日,国民の所得水準が向上するとともに,週休二日制の普及等に伴う勤労者のまとまった自由時間の増大,核家族化・少子化,家電製品・加工食品の普及等に伴う家庭婦人の自由時間の増大,職業生活時間が少なく,自由時面の多い高齢者人口の増大など,生活や時間のゆとりの面において,人々の学習を可能とする条件が整いつつある。

また,パソコンやワープロの普及,海外の人々との接触の機会の拡大,対人関係の複雑化など科学技術の進歩や情報化・国際化の進展による生活上や職業上の資質の向上のために,新たな知識・技術を身に付けることが必要になっている。

さらに,産業構造の高度化・ソフト化等に伴う転職あるいは同一会社内における他職種への配置換えなどへの対応や長期化する高齢期にソフトランディングするための学習も必要になっている。

こうした人々の生活環境の変化を背景として,成人の学習活動は活発化しているが,学習機会として大きな役割を果たしているのが,地方公共団体の主催する学級・講座等の事業である。昭和61年度に教育委員会及び公民館等社会教育施設が実施した学級・講座の開設数は,30万件,受講者数は,1,813万人に達している。教育委員会と公民館が実施する事業の開設数,受講者数は,9年前の昭和52年度に比べ,それぞれ,1.4倍,1.7倍の増となっている。特に,成人一般を対象とした分野の拡大が目立っている (表2-5-1) 。また,知事部局や市町村部局も関係事業に活発に取り組んでいる(昭和60年度,年間25万件,受講者数1,016万人)。

2-5-1 教育委員会と公民舘における学級・講座数

文部省では全国的にみて,人々の学習機会に偏りが生じないよう配慮しつつ,市町村が行う成人大学講座・学級等に対し助成を行っている。

時代の要請に伴い,これら公的な社会教育事業は更に拡大しているが,民間の社会教育団体,カルチャーセンターなどによる事業や学級・講座も近年大幅に増加しており,人々の学習二―ズに柔軟に対応する場として民間事業が果たす役割も大きいと思われる。しかしながら,民間事業の開設に当たっては採算性が大きな要素となることもあって,都市部に集中したり,学習分野に偏りがみちれるのが現状である。このため,公的事業には,民間事業を含めたすべての教育事業の総合的連携・協力体制を整えるとともに,自発的な地域活動や自由競争を基本とする民間事業では十分に対応できない地域や学習分野をカバーし,教育の機会の均等の観点から地域的な不均衡が生じないよう十分に配慮することが求められている。

今後,住民の学習ニーズを的確に把握するとともに,こうした地域における団体の活動や民間教育事業を考慮しつつ,学習プログラムを整備することが必要である。


(2) 社会通信教育の活用

社会通信教育は,時間的・地域的制約を受けることなく誰でも学べる個人学習のための学習システムとして,現在,民間教育団体等によって,職業上,生活上の知識・技術や―般教養など広い分野にわたって様々な内容のものが実施されている。最近では,高年齢層の割合の増加,最新技術教育への志向,企業内教育への活用,通信教育を実施する民間団体の増加など,新たな動きがみられる。文部省は,学校又は民法法人の行う通信教育で社会教育上奨励すべきものについて社会通信教育の認定を行い,その普及・奨励を図っている。現在,文部省認定社会通信教育の実施団体数は45,課程数は184であり,昭和63年度の受講者数は約39万人である。今後は,国民の学習ニーズの多様化,高度化や社会の変化に対応して,教育内容・指導方法等の改善・充実,分野の拡大,多様なメディアの活用等について適切な措置を講じていく必要がある。


(3) 社会同和教育の推進

社会教育において,広く国民の基本的人権尊重の精神を高め,同和地区における教育・文化活動を促進することは重要である。このため,文部省では,同和地区の教育・文化活動の拠点となる集会所の整備に対して助成を行うとともに,社会同和教育の指導者に対する研修の機会の提供,子ども会など同和地区における社会教育関係団体の育成,諸集会の開催,集会所における各種の指導・啓発事業などを地方公共団体に委嘱している。近年,特に,識字学級や同和地区周辺の住民を主な対象とした社会同和教育講座の拡充に努めている。


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