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2部   文教施策の動向と展開
第4章  学術研究の振興
第6節  国際的地位研究の推進
2  加速器科学


物質の究極的な構成要素とその間に働く力(エネルギー)の原理を明らかにする素粒子の研究には,加速器と呼ばれる巨大な実験装置が用いられる。

加速器は,原子を構成する陽子や電子などの素粒子を光速近くまで加速し,他の物質や素粒子に当て,あるいはそれらの加速された粒子同士を衝突させるなどして高エネルギー現象を起こさせるものであり,掠子核物理学や高エネルギー物理学の実験研究装置として,先端技術を開発しながら,近年,急速な発展を遂げてきている。他方,加速器は,加速された粒子あるいは放出される光を用いて材料の分析や加工を行うなど応用範囲も極めて広く,化学,生物学,工学,医学等の諸科学の分野でも,また,工業技術,産業,医療等の実用面でも最先端の装置として活躍している。

このように,加速器を用いて行われる研究は,広く自然科学の基礎であるばかりでなく,科学技術や産業技術の発展の原動力として波及効果が大きいことから,我が国は,その重要性にかんがみ,実験研究の充実に努めている。

現在,世界では,アメリカ,ヨーロッパ諸国,ソ連などが巨大加速器を次々と完成させているが,我が国では,筑波研究学園都市にある文部省高エネルギー物理学研究所を中心に,世界のトップレベルの研究を行っている。

同研究所では,昭和61年秋に当時世界最高の電子,陽電子衝突型加速器「ドリスタン」(周長約3km,衝突エネルギー600億電子ボルト)を完成させ,アメリカやアジアの研究者による国際共同チームも参加して,昭和62年5月から本格的な物理実験を開始し,物質の究極構造の解明につながる新しい粒子の探索などが行われている。

また,同研究所の放射光実験施設は,電子加速器(エネノ5ギー25億電子ボルト)から放射される紫外線,X線領域の波長の光を用いて,目に見えない分子や原子のミクロの世界を調べる世界最大規模・最先端の放射光専用光源として,諸科学の分野はもとより民間企業の研究開発にも広く利用されている。さらに,同研究所の陽子加速器は,陽子ビームによるがんの治療の研究,治療にも威力を発揮している。

2-4-11  世界の主な加速器及び建設計画


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