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2部   文教施策の動向と展開
第4章  学術研究の振興
第2節  研究費の充実
2  科学研究費補助金の拡充


科学研究費補助金は,人文・社会科学から自然科学までのあらゆる分野の優れた学術研究を格段に発展させることを目的とする研究費で,学術振興の基幹的経費として学術研究の進展に大きな貢献をしている。これまで,この補助金により,基礎科学の分野において,数多くの独創的,革新的な新知見を生み出し,優れた研究者グループを育て,新しい研究領域を開拓するなど多大な成果を上げている。

近年における例としては,全世界的に問題となっている地球環境問題における酸性雨の森林等に及ぼす影響の解明,生体の情報を伝達するプロテインキナーゼCという酵素の発見,古年輪変動データの分析による考古歴史研究方法の確立等の多くの優れた成果が数えられる。

平成2年度の予算額は,558億円(対前年度32億円,6.1%増),申請課題数は約6万3,000件(対前年度2,000件増),採択課題数は約2万件(対前年度1,000件増)である( 2-4-4 )。

この補助金は,研究の内容,性格等に応じ,次のような区分がされ,研究者の多様な研究ニーズにこたえている。

1) 国際的レベルで最先端を競っている先駆的な研究の推進(「特別推進研究」)
2) 学術的・社会的要請の強い分野,領域の重点的かつ機動的研究の推進(「重点領域研究」等)
3) 学問分野全体の水準向上と基盤的整備(「一般研究」等)
4) 学術の国際化に伴う共同研究,国際交流の支援等(「国際学術研究」)
5) 実用に移される可能性を持つ学術研究の促進と産業界等との社会的連携の推進(「試験研究」)
6) 大学等の若手研究者の養成,確保及び科学の芽を育てるための小・中・高の教員や民間研究者の研究の奨励(「奨励研究」)

など。

このうち,昭和62年度から新たに設けられた「重点領域研究」は,平成2年度において,「人間―環境系の変化と制御」,「衛星による地球環境の解明」,「高度技術社会のパースペクティブ」,「脳の高次機能の計算論的及び実験的研究」等・62の研究領域が推進されている。

文部省では,この補助金が我が国の学術研究に果たす役割の重要性に着目し,なお―層の拡充に努めることとしている。

2-4-3  平成元年度科学研究費の分野別交付状況

2-4-4  科学研究貴補助金の申請,採択状況


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