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2部   文教施策の動向と展開
第4章  学術研究の振興
第1節  施策の概要


学術研究は・人文・社会・自然科学のあらゆる学問分野における幅広い知的創造の活動である。それは真理の探究という人間の基本的な知的欲求に根ざし,新しい法則・原理の発見,分析や総合の方法論の確立,既成のあるいは新しい知識や技術の体系化,先端的な学問分野の開拓などを目指している。

このような学術研究の成果は,人類の知的共有財産として,文化の知的側面を形成するとともに,応用や技術化を通じて,日常生活を支え,これを豊かにする役割を果たし,人類社会の発展の基盤を形成するものである。

近年,社会・経済の急激な変化・発展や世界的な科学技術重視の傾向など,学術をめぐる諸情勢の進展は誠に目覚ましく,こうした中にあって21世紀の我が国の社会・経済を支える基盤として傘術研究の重要性が強く認識されるようになってきている。

また,近年,我が国の学術研究水準と国際的地位の向上に伴い,我が国が創造的な学術研究の推進を通して人類共通の知的資産の蓄積に貢献することが強く求めちれるようになってきている。

文部省では,これらの状況に対応し,基礎研究の中心的担い手である大学等における学術研究を一層振興していくため,従来から学術審議会や臨時教育審議会の答申等を踏まえつつ,学問の全分野にわたる基盤の形成研究者の自主性の尊重,研究と教育の一体推進の三点を基本的考え方やして,次の諸点に重点を置いて積極的に諸施策を推進している。

第一は,研究費,研究者,研究組織等の学術研究基盤の整備充実である。このため独創的・先端的な学術研究を推進するための基幹的研究費である科学研究費助金の払充,創造性豊かな優れた若手研究者育成のためのフェローシップ制度である特別研究員制度の拡充,共同利用体制の推進に重点を置いた研究所等の整備,学術情報センターを中心とした学術情報システムの整備等の諸施策を長期的,総合的観点に立って推進している。

第二は,重要基礎研究の積極的な推進である。学問上重要な意義を有し,また,社会的要請の極めて強い重要な研究分野,例えば,天文学研究,加速器科学,宇宙科学,核融合研究,がん研究等の生命科学などについては,世界的な研究動向や我が国の現状を踏まえつつ,中長期的視野に立って,その積極的な推進を図っている。

第三は,大学と産業界等との研究協力の推進である。産業界を始めとする社会の各方面からの大学の学術研究に対する多様な要請に対し,大学が本来の使命を踏まえながら,大学等の主体性の下に,可能な限り社会の諸要請に適切に対応し協力していくことは,大学が社会に貢献するという観点からも,また,大学の学術研究に有益な刺激を与えるという観点からも,有意義なことであると考える。このような見地に立って,民間等との共同研究や共同研究センターの整備等を推進している。

第四は,学術の国際交流,協力の推進である。学術の国際交流・協力は,本来,普遍的な知的活動である学術研究活動の内在的要請であり,その発展のためには,国境を越えた研究者の自由な交流・協力が必要不可欠である。また,近年の地球環境問題のように一国では対応し難い問題が増加しており,このような観点からも国際交流・協力の重要性が高まっている。学術の国際交流・協力は,我が国の学術水準の向上に資することはもとより,世界の学術の進展にも寄与するものである。このため,国際共同研究,研究者交流,国際研究集会,学術情報の流通等を積極的に推進している。


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