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2部   文教施策の動向と展開
第3章  初等中等教育の改善・充実
第11節  教員の資質能力の向上等
1  教員養成・免許制度と採用



(1) 昭和63年の教育職員免許法等の改正

学校教育の直接の担い手である教員の活動は,人間の心身の発達にかかわるものであり,幼児児童生徒の人格形成に大きな影響を及ぼすものである。このような教員の資質能力の向上は,その養成・採用・現職研修の各段階を通じて,総合的に図られるべきであることはもとよりであるが,まず,その最初の段階である大学での養成段階で真に教員としてふさわしい人材を育成することが大切である。

大学での養成においては,幅広い人間性を養うとともに,教科指導・生徒指導等に必要とされる基礎的・理論的内容と実践的指導力の基礎を確実に修得させる必要がある。そのためには,教員養成課程における専門性の一層の向上を図るとともに,より深い学識を備えた者を教職に招致できるようにすることが肝要である。

このような観点から,昭和63年12月に教育職員免許法等の一部を改正し,大学院において特定の分野について深い学識を積み,当該分野について高度の資質能力を備えた者を教育界に迎え入れることを促進するために,大学院修士課程修了程度を基礎資格とする専修免許状を新設した。

また,平成2年度大学入学者から大学において免許状の授与を受けるために修得することを必要とする専門教育科目の単位数を引き上げた。

(例えば,小学校教諭一種免許状では,48単位から59単位へ11単位引き上げ,中学校教諭一種免許状では,54単位から59単位へ5単位引き上げた。)これは,大学での養成において,社会の変化や学校教育の内容の改善,児童生徒の状況等に対応して,実践的指導力の基礎を確実に修得させるための措置であり,今日学校教育において求められている教育の方法・技術,生徒指導,特別活動等に関する科目を新しく必修科目とし,指導力の向上を図ることとしたものである。


(2) 平成元年の教育職員免許法の改正

平成元年3月に高等学校学習指導要領が改訂され,高等学校生徒の発達段階に応じた専門性・系統性のある教育を実施するために,平成6年度から高等学校の社会科が地理歴史科及び公民科に再編成されることとなっている。

これを受けて,地理歴史科担当教員及び公民科担当教員の専門性を高めるため,平成元年12月に教育職員免許法の一部を改正し,教員免許状の教科(免許教科)についても従来の「社会」を廃止し,「地理歴史」及び「公民」を新設することとした。

今回の教育職員免許法の改正に伴い,平成2年度大学入学者から地理歴史科及び公民科の担当教員の養成教育が実施され,高等学校で地理歴史科及び公民科の授業が開始される平成6年度には,地理歴史科又は公民科の担当教員の養成教育を受けた者が学校に送り出されることとなる。

なお,現在高等学校「社会」の教員免許状を有している者は,免許状の切換えを行う必要はなく,「社会」の免許状を有したままで,平成6年度以降,地理歴史科及び公民科の授業をいずれも担当できる取扱いとなっている。


(3) 教員採用の改善

教員の資質能力の改善のためには,採用の段階で教員としてふさわしい資質を備えた人材を確保することも重要な課題である。

高等学校以下の公立学校教貝の採用選考は,各都道府県・指定都市の教育委員会が実施する教員採用選考試験により行われているが,各教育委員会は,教員としてふさわしい人材を確保するため,資質能力を幅広く,多面的に把握してそれを適正に評価できるよう,年々,採用選考方法の改善・工夫を図っている。

現在,すべての県市で面接試験が実施されているが,そのうち,集団面接を実施したところが平成2年度,54県市,1,2次試験両方で実施したところが32県市となっており,これらは増加傾向にある。

また,論文・作文試験を実施したり,英会話等の実技試験を行ったり,社会的奉仕活動やクラブ活動の経験を評価の対象とするなど,選考方法の多様化が図られている。小学校の受験者に対しては,すべての県市で何らかの実技試験が行われており,中・高等学校の受験者に対しても,スピーキングやヒアリング等の英語の実技試験を行ったところが,平成2年度46県市,教科を問わずすべての受験者に対して体力テストを課すところが20県市となっており,これらは増加傾向にある( 2-3-4 , 2-3-5 )。

今後,多様な選考方法をより客観的な資料として活用するため,これらの評価方法などについて検討を進めていく必要がある。

また,優れた人材を確実に採用するため,採用内定時期が民間企業と同時期になるよう採用スケジュールの早期化が図られており,昭和57年度には11月を採用内定時期とするのが11県市であっ外が,平成2年度には10月までを採用内定時期とするのが18県市,11月を採用内定時期とするのが23県市となっている( 2-3-6 )。

文部省としても,教員としてふさわしい資質を備えた優秀な人材を確保するため,採用試験の改善について,更に各教育委員会を指導していくこととしている。

なお,平成元年度における教員採用選考試験の受験者数,採用者数はそれぞれ,15万2,097人,3万3,615人となっている。採用者数はここ数年減少傾向にあったが,児童生徒の減少がゆるやかになる一方で,小学校において初任者研修が本格実施されたことなどにより前年度を上回った( 2-3-7 )。

2-3-4  実技試験の実施状況の推移

2-3-5  作文・論文試験,適性検査,面接試験の実施状況の推移

2-3-6  採用内定時期の推移

2-3-7  公立学校教員の採用者数の推移


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