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2部   文教施策の動向と展開
第3章  初等中等教育の改善・充実
第9節  教科書制度の改善・充実
2  教科書採択の在り方の見直し



(1) 教科書の採択

教科書の採択とは,種目(国語,算数などの教科書の科目ごとに分類した単位)ごとに数種類発行されている教科書の中から,学校で使用する教科書を決定することであり,公立学校については,所管の教育委員会が,国・私立学校については,それぞれの校長が行うことになっている。

このうち,公立小・中学校の教科書については,教員の教科書研究や児童生徒の転校時における利便,また迅速確実な教科書供給などの理由から,市若しくは郡の区域又はこれらの区域を併せた地域に採択地区を設定し,採択地区内の市町村教育委員会が,都道府県教育委員会の指導・助言,援助を受けつつ,共同して同一の教科書を採択することとなっている。

また,義務教育諸学校の教科書については,採択期間の制度を設け,一定期間継続して同一の教科書を採択することとしている。


(2) 採択の在り方の見直し

教科書採択の在り方については,臨時教育審議会答申において,採択組織・手続の改善,採択理由の周知,学校・教員・保護者の意見の採択への反映等の提言が行われたことを踏まえ,文部省では,昭和63年度がら,教科書採択の在り方に関する調査研究協力者会議を設置し,具体的改善方策について検討を行ってきたが,平成2年3月,「教科書採択の在り方について(報告)」を取りまとめた。報告は,今後の教科書採択について,1)専門的な教科書研究の充実,2)適正かつ公正な採択の確保,3)開かれた採択の推進の三つの観点から,次のような提言を行っている。

ア 都道府県教育委員会の作成する採択基準と選定資料について,採択地区において参考となるものとなるよう,工夫,充実すること。
イ 採択地区に各教科ごとに適切な数の調査員を配置するなど調査研究体制の充実を図ること。
ウ 採択における公正確保の徹底を図るとともに,教職員の投票によって採択教科書が決定される等採択権者の責任が不明確になることのないよう,採択手続きの適正化を図ること。
エ 教科用図書選定審議会,採択地区協議会の委員等に保護者の代表を加えていくこと。
オ 採択結果及び理由や,教科用図書選定審議会及び採択地区協議会の委員名の公表を進めること。
カ 検定周期の延長に合わせて,義務教育諸学校において同一の教科書を採択する期間(採択期間)を従来の3年から4年に延長すること。

報告を受けて,文部省においては,採択期間を延長するため,義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律施行令の一部改正を行うとともに,各都道府県教育委員会に対して採択の在り方について,検討,改善を進めるよう指導を行った。各都道府県教育委員会等においては,平成3年度からの新学習指導要領に基づく新しい教科書の採択に向けて,報告の趣旨を踏まえ,それぞれの地域の実情に応じ,教科書採択の在り方について,適切な検討と改善が行われることが期待される。


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