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2部   文教施策の動向と展開
第1章  教育改革の推進
第3節  第14期中央教育審議会の活動


中央教育審議会は,文部大臣の諮問機関であり,教育,学術又は文化に関する基本的な重要施策について調査審議を行い,文部大臣に答申・建議することをその任務としている。

中央教育審議会は,昭和27年に設置されて以来,その時々における文教行政上の重要課題について調査審議を行っており,これまで私立学校教育の振興や教科書制度の改善方策,短期大学制度の改善,学校教育の総合的な拡充整備に関する答申など合計28回の答申を行っており,文部省はこれらに基づき所要の施策を講じてきた。

前節で述べたように,文部省においては,現在,臨時教育審議会答申等を踏まえつつ,生涯学習体制の整備,初等中等教育の充実と改善,高等教育の個性化・高度化の推進など各般の施策の具体化に取り組んできているが,このような教育改革に係る施策を着実に実施すると同時に,さらに21世紀の我が国社会を見通し中長期的展望に立って教育の在り方を検討していくことが重要であると考えられる。このため,平成元年4月に発足した第14期中央教育審議会においては,「新しい時代に対応する教育の諸制度の改革について」の諮問に応じて幅広い観点から審議を進めている。

審議事項としては,大きく分けて「後期中等教育の改革とこれに関連する高等教育の課題」と「生涯学習の基盤整備」があり,現在,総会の下に「学校制度に関する小委員会」及び「生涯学習に関する小委員会」を設置し,具体的な調査審議を進めている。これらの課題をテーマとした背景は次のとおりである。

1)後期中等教育の改革とこれに関連する高等教育の課題近年の社会の急速な変化の中で,教育に関して様々な問題が生じており,受験競争の過熱化や青少年の問題行動が大きな社会問題となっている。また,これまでの学校教育はどちらかといえば画一的・硬直的で社会の変化や生徒の実態に適切に対応していないとの指摘もなされている。そして,このような学校教育に係る諸問題は,とりわけ生徒の能力・適性等の多様化が進む後期中等教育を中心に顕在化しており,生徒の多様な個性,能力等を積極的に評価し,様々な学習要求に応じその個性の伸長を図る等の観点から,後期中等教育のより一層の多様化・弾力化を図る必要がある。さらに,高等教育についても,後期中等教育との接続の改善を図る観点から,関連する諸課題について検討を行う必要がある。

具体的な審議事項は,高等学校の修業年限の弾力化(現行の3年制のほか,4年制高等学校の設置の適否),学科制度の再編成,単位制度の活用,新しいタイプの高等学校の設置の奨励策,特定の分野などにおいて特に能力の伸長が著しい者についての教育上の例外措置の可否,高等専門学校の拡充方策,短期大学に「生涯学習センター」(仮称)の開設を奨励するなど生涯学習機関としての在り方などである。

2) 生涯学習の基盤整備新しい時代に対応する教育の諸制度を改革するに当たり,学校教育だけでなく,学校以外における様々な教育,学習活動について関係省庁と連携,協力しつつその振興を図り,さらにこれらと学校教育との相互の連携を強化していく必要がある。そのため,生涯学習体系への移行を目指して,これまでの施策の展開を踏まえつつ,人々の学習需要の高度化多様化に応じて体系的な振興方策を検討していく必要がある。

具体的な審議事項は,生涯学習の総合的な振興を図るための推進体制等についての法的整備や民間教育事業の支援の在り方,地域の生涯学習の中心機関となる「生涯学習センター」(仮称),生涯学習の成果を適切に評価し,学校教育の単位として転換する仕組みなどである。

この生涯学習に関しては,平成元年10月,「生涯学習に関する小委員会審議経過報告」が公表され,これに関する関係団体の意見等も勘案して審議が重ねられ,平成2年1月,「生涯学習の基盤整備について」答申が行われた。この答申は,生涯学習は人々が自発的意思に基づいて行うことを基本とするものであり,生涯学習の基盤を整備することが当面する重要な課題であるとの基本認識を示すとともに,人々の生涯学習を支援するための施策を中心に次のような提言を行っている。

1)国や都道府県,市町村の各段階において,生涯学習を総合的に推進するための連絡調整組織を整備すること
2)地域における生涯学習の推進機関として,都道府県に「生涯学習推進センター」を設置すること及びセンターの機能として生涯学習情報の提供,学習相談体制の充実,並びに各種の学習・教育機関との連携を図ること
3)大学,短期大学等においては,社会人の受入れや公開講座等の開設などの取組をより積極的に行う体制として,生涯学習センターを開設することが期待されること
4)地域の特色を生かして全国各地で充実した生涯学習活動の場を整備することをねらいとする「生涯学習活動重点地域」を設定すること
5)民間教育事業者の自主性の尊重と自由な発展を基本としつつ,国及び地方公共団体がこれを間接的に支援すること

なお,この答申を受け,文部省は,平成2年5月に「生涯学習の振興のための施策の推進体制等の整備に関する法律案」を第118回国会に提出し,同法案は6月に成立,7月に施行された。

中央教育審議会の二つの課題のうち,後期中等教育の改革とこれに関する高等教育の課題に関しては,現在,学校制度に関する小委員会において,関係団体との意見交換や現地視察を行いつつ,具体的な審議事項について鋭意審議を行っているところである。また,生涯学習の基盤整備に関する審議事項のうち,生涯学習成果の評価については,生涯学習に関する小委員会において,幅広い観点から更に審議を続けているところである。


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