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2部   文教施策の動向と展開
第1章  教育改革の推進
第2節  教育改革の推進状況
2  臨時教育審議会答申の具体化



(1) 臨時教育審議会答申の実施状況

文部省では,臨時教育審議会答申及び教育改革推進大綱を踏まえ,これまで,教育改革に係る各般の施策の具体化に努めてきており,臨時教育審議会最終答申後3年近く経過したことから,平成2年6月,教育改革実施本部において,文部省関係の「臨時教育審議会答申の実施状況」について取りまとめるとともに,残された課題についても引き続き積極的に改革を進めていくこととした(「臨時教育審議会答申の実施状況」の全文はp.233〜p.247に掲載)。

臨時教育審議会答申の実施状況を分類すると,1)法律や政・省令の改正等により制度的な対応を図っているもの,2)都道府県に対する補助や種々の事業の実施等主として予算措置により対応しているもの,3)制度改正や予算措置によらず様々な行政運営上の工夫・改善により対応しているもの,4)関係審議会等で更に具体化方策等の審議を行っているもの,などに整理できる。

このような分類に従い,主な実施状況を概観すると,次のとおりである。


(2) 法律改正等制度改正

改革提言のうち法律改正を要するものについて,現在までに12の法案を提出し,うち10法案が成立をみている(表2-1-1)。

これらのうち,第118回国会(会期:平成元年12月〜2年6月)においては,「国立劇場法の一部を改正する法律案」,「国立学校設置法の一部を改正する法律案」,「生涯学習の振興のための施策の推進体制等の整備に関する法律案」の3法案を提出し,成立をみた。


1) 芸術文化振興基金の創設等

国立劇場法の改正(第118回国会提出)は,国の出資金と民間からの出えん金を原資とし,その運用益により「優れた芸術文化の多彩な展開とその普及」,「文化によるまちづくりの推進」に対する助成を行う「芸術文化振興基金」の創設等を目的とするものである(芸術文化振興基金については第2部第7章第2節参照)。


2) 北陸先端科学技術大学院大学の新設等

国立学校設置法の改正(第118回国会提出)は,北陸先端科学技術大学院大学の新設等を目的としている。北陸先端科学技術大学院大学は,近年の先端科学技術分野の急速な進展に対応し,これらの分野に係る基礎研究を積極的に推進するとともに,高度な研究者,技術者の組織的な養成及び再教育を行うため,学部を置かない大学院のみの大学として新設したものである。


3) 生涯学習の振興のための施策の推進体制等の整備

生涯学習の振興のための施策の推進体制等の整備に関する法律(第118回国会提出)は,平成2年1月,中央教育審議会から答申された「生涯学習の基盤整備について」を受け,国民の多様化・高度化した学習需要に対応し,生涯にわたる学習が円滑に行われるよう,都道府県の生涯学習推進の体制,地域生涯学習振興基本構想及び生涯学習審議会等について規定したものである。

また,改革提言のうち,政令や省令等の改正等を要するものについては,それぞれ所要の措置を講じている。

2-1-1  国会提出教育改革関連法案 (第109回〜第118回国会提出)


平成元年6月以降に講じられたものとしては,第―に,平成元年9月には,大学院設置基準及び学校教育法施行規則等を改正し,夜間の大学院修士課程を設置できることの明確化,修士課程の修業年限の弾力化,大学院の教員の資格の拡大,独立大学院の設置基準の明示,大学院入学資格の拡大等,各々の大学院の創意工夫を生かすために,大学院制度を弾力化する措置を講じた。

第二に,教科書の質的向上を図るため検定周期を延長したことに併せ,平成2年3月には,義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律施行令を改正し,義務教育諸学校において同一の教科書を採択する期間を従来の3年から4年に延長した。


(3) 予算措置

改革提言を具体化するため,平成2年度予算においても,厳しい財政状況下ではあるが,教育改革の推進に必要な予算を確保している。平成2年度の文教予算のうち教育改革に関連する予算を取りまとめると,約8,423億円(対前年度比3.7%増)が計上されている。


(4) 行政運営上の工夫・改善

改革提言について,必要に応じ都道府県や大学等に対し,通知を出すなどにより,積極的な取組を求めたり,開かれた文教行政を目指して,その時々の文教行政の概況と政策に関する情報を積極的に広く社会に提供するため,様々な広報資料を刊行するなどして,種々の行政運営上の工夫・改善を行っている。

広報資料については,例えば,昭和63年度から毎年刊行している「我が国の文教施策」(いわゆる教育白書)は,昭和63年度には「生涯学習の新しい展開」,平成元年度には「社会の変化に対応する初等中等教育」を各々特集テーマとして詳しく解説するとともに,教育,学術,文化,スポーツの各分野における施策の現状等について広く解説している。

また,平成2年6月に刊行した「情報化の進展と教育一実践と新たな展開-」は,情報化の進展に対応した教育を進めるために,今後の取組の参考となる様々な事例や文部省の施策の概要について紹介している。

さらに,「中教審ニユース」,「大学審議会ニュース」を刊行し,各々の審議会の審議状況等を広く紹介している。


(5) 審議会等における検討

改革提言の中には,文部省において具体化方策を更に検討した上で施策を講ずることが適当と考えられる課題や中長期的観点に立って検討することが必要な課題も多い。これらについては,関係審議会において鋭意検討を進め,結果のまとまったものについては,逐次,所要の措置を講じている。

例えば,前述のように中央教育審議会では,平成元年4月,「新しい時代に対応する教育の諸制度の改革について」諮問を受け審議を進めている( 2部第1章第3節参照 )。

大学審議会では,昭和62年10月に「大学等における教育研究の高度化,個性化及び活性化等のための具体的方策について」諮問を受け,大学院の充実と改革,学部教育の充実と改革,今後の高等教育機関の整備の在り方を中心に審議を進めている。同審議会では,昭和63年12月に「大学院制度の弾力化について」答申を行ったほか,平成元年7月及び2年7月には,大学教育部会及び大学院部会における審議の概要を公表した。

これらの審議会における検討のほか,学識経験者等の協力を得つつ,例えば,「海外子女教育の推進」や「21世紀に向けての留学生政策展開の在り方」などに関する具体化方策について鋭意検討を進めている。


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