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1部   高等教育の課題と展望
第4章  諸外国の高等教育
第6節  ソ連
3  厳密な履修制度と質の高い教員・研究者の確保


学部レベルの修業年限は,通常5年で,専攻分野及び履修課程により4年又は6年の場合もある。

カリキュラムは,一般教育と専門教育から構成されるが,一般教育科目は社会科学及び人文科学の科目に限られ,授業時数全体に占める割合は約15%程度である。専門教育に関しては,専攻分野に共通の基礎教育科目と学科別の専門教育科目がある。

履修科目は,従来,大学側から定められた必修科目がほとんどであったが,1987年度より専門教育科目については選択科目の数が増え,科目履修が弾力化された。また,特に優れた能力を持つ学生には,本人の希望により個別カリキュラムを編成し在学年限を弾力化する,検定試験により飛び級の機会を与える,研究機関で高度な専門家養成のための指導を行うなどの特別な制度がある。

評価は,学期ごとに行われる試験及び日常的な点検の結果により判定され,当該学年のカリキュラムに定められているすべての科目に合格しない場合は,留年となる。全学年で定められたすべての科目を履修し,試験に合格した学生は,最終学年終了時に国家試験を受験し,これに合格した場合,相当の資格,高等教育修了証及び各大学の胸章が授与される。また,成績優秀者には優等修了証が授与され,初任給が優遇されるなどの特典が与えられる。

ソ連の大学院には,我が国の修士課程に相当するアスピラントゥーラと博士課程に相当するドグトラントゥーラがあり,主要な大学及び研究機関,組織等に開設されている。現行の高等教育改革においては,その規模の拡大と充実が目指されている。

1988年のアスピラントウーラの在学者総数は,約10万人で,全日制課程在学者が約5万人,通信制課程在学者が約5万人となっている。アスピラントウーラの課程修了者には,それぞれの専門に応じた「イスレドバーテリ(専門研究者)」の称号と,高い資格を必要とされる研究職あるいは教職に就くことを可能とする修了証書が与えられる。さらに,論文審査に合格した者には「カンディダート・ナウーク(博士候補)」の学位が与えられ,大学の助教授相当の職に就くことができる。

ドクトラントウーラは,生涯にわたる研究生活の最高機関として1988年より新設された。40歳以下の博士候補の学位を持つ者で,特定の分野における学問的業績を有し,将来性のある研究者・教育者と認められる者に対して入学資格が与えられる。1989年度には,ドクトラントゥーラは117の大学に開設されたが,以後更に拡充されている。在籍する機関において承認された研究計画に従い博士論文を完成させ,論文審査に合格した場合,「ドークトル・ナウーク(博士)」の学位が授与され,教授相当の職に就くことができる。

大学教員の職階は,講座主任教授,教授,助教授,上級講師,講師,助手の5段階に分かれている。資質向上と待遇改善を目的として,任期制の徹底,定期的な研修及び適格審査の導入,適格審査の結果を考慮した給与引上げの措置がとられている。

教員は,すべての職階について一般公募により採用され,5年間の契約・任期制となっている。任期終了時に再契約を望む場合は,学部あるいは大学の評議会において公募による応募者とともに審査を受け,ほかの候補者より劣ると判定された場合,解雇となる。

また,教育・研究歴5年,10年及び15年の時点で給与額を決定するための基礎として適格審査が行われる。各大学には投票により選出された学位を有する教授及び助教授,共産党及び労働組合の代表等により構成される適格審査委員会が設けられ,研究・教育活動などが評価される。

その際,研修の状況や学生からの評価などが考慮される。

また,研修は最低5年に1度受けることが義務づけられ,先進的企業や研究機関において4カ日以上1年以内の研修が行われる。


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