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1部   高等教育の課題と展望
第4章  諸外国の高等教育
第6節  ソ連
2  学力重視の入学者選抜


ソ連の大学入学者選抜は,各大学がそれぞれ実施する入学試験に基づいて行う。従来,大学入学者選抜は,入学試験のほか,内申書及び人物調書等を考慮して行われていたが,高等教育改革の進展に伴い,入学者の学力水準を上げるため,原則として入学試験の各科目の合計点のみによる選考が行われるようになった。また,各大学の特色を生かすため,入試科目の決定,評価の方法などにおける各大学の裁量権が拡大された。

入試科目は,3〜5科目の範囲で各大学,学部が定め,そのうち1科目は「ロシア語(または大学所在地の民族言語)・文学」としなければならない。試験の形式は,口頭試験や論述形式の筆記試験が多いため評価の客観性に欠けることが問題となっており,マークシート方式の客観テストの導入も一部で検討されている。

大学は卒業後の就職が比較的安定していることや,大学生は徴兵猶予となったことなどが起因して,大学全日制課程への進学を希望する者はこのところ増加する傾向にあり,入学競争率は年々上昇し,1989年は,法科大学の4.8倍を筆頭に平均2.4倍に達し,志願者の半数以上が大学に入れない状況になっている。

現在大学入学者選抜については,不本意な専攻課程へ入学した学生の中退や卒業後の失業・転職等の問題が生じており,これを是正するため,後期中等教育機関における進路指導の充実が図られている。また,各地域に職業相談員,心理学者等を配置した青少年職業指導センターが開設され,生徒がそれぞれの個性に最も適した専攻分野を選択するための指導を行うようになった。

なお,大学入学者の選抜に当たっては,上記のような試験選抜による一般の入学のほか,実務経験者・軍歴保持者の優遇,農村・へき地居住者への配慮などを目的とする,別枠の無競争入学,大学予科修了者の無試験入学などの特別な制度がある。1989年度は,全入学者の約25%が無競争入学の適用を受け,約8%が無試験入学の適用を受けた。


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