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1部   高等教育の課題と展望
第4章  諸外国の高等教育
第5節  西ドイツ
1  高等教育の拡大


1960年代初め以降拡大が図られてきた西ドイツの高等教育機関は,大きく大学と高等専門学校に分けられる。

大学には,総合大学,工科大学,教育大学,芸術大学などがある。総合大学は西ドイツの高等教育制度の中核をなしており,歴史を中世までさかのぼる伝統的なものから,1960年代以降に収容力の拡大や大学配置の地域的不均衡の是正等を目的として新設されたものまである。

高等専門学校(Fachhochschule)は,1970年代初めに従来の技師学校等が高等教育機関に昇格したものである。大学が基礎研究を重視しているのに対し,応用に関連した教育が中心となっている。工学,経済,社会福祉などの学部が多く,修業年限は標準3年で大学より短い。複数の専攻を擁する高等専門学校が多く,また学生数3,000人位までのところが多い。

これらの高等教育機関の在学者は,1960年には25万人(19〜26歳年齢層の4%)にすぎなかったが,以後一貫して増加を続け,1986年にはおよそ137万人(同18%)に達している。このうち大学に在学している者は105万人,高等専門学校に在学している者が31万人である。このような規模の拡大の背景には,高等教育の希望者にできる限り門戸を開くという高等教育の拡大・開放政策がとられたこととともに,親や生徒の教育希望の増大がある。また,大学と高等専門学校の在学者の年齢構成をみると,18歳以上22歳未満が17.0%,22歳以上25歳未満が33.4%,25歳以上27歳未満が19.0%,27歳以上が30.6%(1986年)となっており,年齢の高い者の割合が高い。

高等教育機関の在学者数は,1980年代前半の予測では,出生率の関係から90年代に入って減少に転じるとみちれていたが,その予測は外れ,少し後にずれこみそうである。80数万人の定員におよそ140万人が在学することによる教育条件・研究条件の悪化は,最も大きな問題となっている。また,1989年11月にベルリンの壁が開放されて以降,東西ドイツの統一への動きが急速に進む中・東独から多くの学生が入学を希望するとみちれ,今後しばらくは厳しい状況が続くとみちれている。

このように在学者の増加という問題に直面する中,連邦政府は,国の発展にとって研究・教育の果たす役割が重要であるとの立場がち,各大学がそれぞれの特徴を明確にし,大学問の競争を促すことを通じて教育・研究の質を向上させることを教育政策上の最重点課題としている。

また,長期化している在学年限を短縮することが課題とされているほが,経営学,情報学など需要の多い専攻分野の定員拡大や教育条件の改善を図るための特別財政援助措置も講じられている。

1-4-5  大学及び高等専門学校の入学資格取得者,入学者, 在学者,修了者の推移と予測


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