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1部   高等教育の課題と展望
第4章  諸外国の高等教育
第4節  フランス
3  大学の教育


大学の教育は第1期課程(2年制),第2期課程(1〜2年制)と大学院レベルの第3期課程(1年以上)の3段階で構成される。

1968年の高等教育基本法以前の大学では,第1期課程は,学部・学科ごとの専門教育のみで,一般教育についてはバカロレア取得により既に修了したとみなされていた。しかし,1968年以降,均衡のとれた人間形成を重視する観点から,第1期課程では専門及び関連科目のみならず,―般教育科目をも履修させることになった。

第2期課程に進学するためには,第1期課程修了を認定する専攻分野ごとの大学一般教育修了免状(DEUG)の取得が必要である。第1期課程入学後3年以内に同免状を取得できない場合には退学とする。第2期課程には,1年制の「学士号(リサンス)」取得準備課程と,「上級学士号(メトリーズ)」取得準備課程が設置されている。第3期課程への進学には,上級学士号取得が条件である。このように,上級段階への進級に際して免状取得を義務づけることにより,学生の修学状況をチェックするシステムになっている。

入学定員増を抑制してきたグランゼコールに対し,大学は増加する高等教育人口を吸収し,多様な学力の学生を受け入れるようになった。それに伴い,大学は学業不振等により第1期課程で入学者の半数以上が中退するなどの深刻な問題に直面している。

これを打開するために,第1期課程では,例えば,1)教育課程を多様化し,従来からの第2期課程進学課程に加え,就職準備課程や短期高等教育機関への進路変更のための課程の設置,2)通常2年間で取得する大学一般教育修了免状を3年間で取得する課程の設置等の改革が,1984年以降各地の大学で実施されてきた。

また,第2期課程では,グランゼコールに対抗するために,学力優秀な第1期課程修了者を選抜して,グランゼコールの教育方法を一部採用した3年間の教育を行う課程(修了者にマジステール学位を授与)の設置等の改革がみられる。

第3期課程の学生数は約16万人で,大学生全体の15.9%を占めている。

入学後1年間で「研究深化学位(DEA)」を取得した後,2〜4年間で博士論文執筆の準備をする課程(全体で3〜5年制)と,主として就職希望者を対象とする「高等専門教育学位(DESS)」取得準備課程(1年制)の2コースが設置されている。

大学の教員は,教授,助教授,助手から成る。助手には任期制が採用されている。助手の任用については,国民教育大臣が公表する助手欠員リストに基づいて,大学区(教育行政の地方単位)ごとに公募し,任用する大学の専門委員会が個別に審査して決定する。この審査結果に基づき,大学区総長は,正規の助手として任用するか,試補助手(1年間の期限付き)として任用するかを決定する。教授については採用されていないが,助教授については,正規の助教授に任用される前に2年間の試補助教授を経験しなければならない。


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