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1部   高等教育の課題と展望
第4章  諸外国の高等教育
第4節  フランス
1  大学の大衆化


フランスの高等教育においては,大学とグランゼコールの2種類の機関から成る二元的体系が伝統的に維持されてきた。現在,この両者は様々な点で好対照を成している。一般に大学の教育が多人数制の講義中心で,学問的性格の内容であるのに対して,グランゼコールは少人数制の教育,企業からの講師招へい,,企業実習の実施などを通じて,理工,商業・管理系等の高度の専門家の養成を担っている。また,後述のように大学が入学に際して選抜を実施しない建前であるのに対し,グランゼコールでは一般に厳しい選抜を実施している。就職の点でも,大学の学生がしばしば困難に直面しているのに対し,グランゼコールの学生は恵まれており,官界,企業の主要ポストのほとんどを,グランゼコールの卒業生が占めるといわれる。

このほか,短期教育機関として,技術短期大学部(大学に付設,修業年限2年),中級技術者養成課程(リセに付設,修業年限1〜2年)及びグランゼコール準備級(リセに付設,修業年限1〜2年)がある。前二者はグランゼコール方式の実務的教育による職業人養成を目的としており,大学より高い就職率を上げている。

フランスは他のいわゆる先進諸国と同様に,1960年代以降高等教育人口の急速な拡大をみた。1960年には,27万人であった高等教育人口は,1970年には75万人,1980年には100万人,1987年には125万人と推移してきた。1985年には当時のシュベーヌマン文相が,該当年齢(18歳)層比で30%程度であったバカ口レア(大学入学資格,後述)取得者を,2000年までに80%に大幅に増加させる計画を打ち出した。1987年の機関別学生数は,大学約90万人,グランゼコール約8万人(技師学校及び商科学校のみ),技術短期大学部約7万人,中級技術者養成課程約15万人,グランゼコール準備級約5万人である。

大学院を含めた大学生の年齢別構成では,通常の学部学生の年齢にほぼ該当する22歳以下が過半数(58%)を占めるが,23歳〜30歳が30%,31歳以上も12%程度おり,年齢にかなりの広がりがみられる。

近年の大学の大衆化が進む中で,多様な学力,目的を持つ学生の教育要求にこたえる―方で,教育・研究水準をいがに維持・発展させるか,また,教職員の確保,施設・設備の充実をいがに進めるがか,大学にとって緊急の課題となっている。


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