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1部   高等教育の課題と展望
第4章  諸外国の高等教育
第3節  イギリス
5  高等教育財政改革の推進


大学は独立した法人であり,その管理・運営については自治を有している。他方,国は大学に対し,大学財政審議会を通じて補助金を交付しており,大学の財政の大半はこの補助金によって賄われている。教育科学大臣はこの審議会の委員を任命するとともに,大学全体への補助金総額を決定するが,個々の機関に対する補助金について指示することは行わない。この補助金以外の大学の財源としては,授業料,国からの研究助成金,寄附金などがある。

大学は授業料と寮費(入寮者のみ)を徴収し,入学金や設備費などは徴収していない。しかし,上述のとおり授業料は奨学金に含まれており,学生の実質的な負担はほとんどない。なお,授業料は国の示す基準に従って定められているため,全大学でほぼ同額を徴収しており,また,学部・学科間の区分もない。

イギリスでは,経済・社会の要請にこたえるとの観点から,高等教育改革が進められているが,その一環として補助金制度の見直しが行われてきた。大学への補助金はこれまで大学補助金委員会を通じて交付されてきたが,経渋・社会の要請にこたえる教育・研究を促すようなより効率的な補助金の配分の必要性が指摘され,また,その委員の構成が大学人に偏っているとの指摘もなされていたことから,1988年の教育改革法により同委員会は廃止され,新たに1989年4月大学財政審議会が創設された。審議会の委員は学界と産業界の代表のバランスに配慮して,教育科学大臣が任命することとされた。

政府は,今後の補助金の在り方について,補助金は無条件の権利ではなく,契約に基づいて公費から支出されるものであるとの方針を示しており,大学はその補助金に見合う成果・責任が強く求められるようになった。また,国からの補助金にのみ依存することなく,大学が民間資金の一層の活用を図ることも勧奨している。

さらに,補助金の効果的な配分に資するため,大学の評価も実施されている。1986年に大学補助金委員会が初めて実施したのに続き,1989年大学財政審議会が評価を実施し,その結果を公表した。これは全大学の研究活動の水準を37にわたる分野それぞれについて5段階の評価を行うもので,大学の総合的な評価はなされないが,それぞれの分野についてのランキングが公表されている。

なお,ポリテクニクや高等教育カレッジについても,ポリテクニク,カレッジ財政審議会が新たに設けられ,大学に対するのと同様の方針に基づき補助金の交付を行っている。


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