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1部   高等教育の課題と展望
第4章  諸外国の高等教育
第3節  イギリス
4  充実した奨学金制度


イギリスにおいては,大学の規模が比較的小さいこともあって,学生に対して充実したサービスが提供されている。特に,奨学金制度が整備されており,地方自治体は,学士課程その他定められた課程にフルタイムで就学する学生(留学生を除く)に対し,申請により公費奨学金(給与)を支給することが義務づけられている。この奨学金には,授業料の全額のほか家庭の経済状況に応じた額の生活費が含まれている。授業料は直接大学に払い込まれるが,生活費は本人に支給される。生活費の最高限度額(年額)は,1988年で,ロンドンで寮又は下宿に住む学生の場合2,425ポンド(約55万円),自宅通学の場合1,630ポンド(約37万円)などとなっている。なお,この奨学金は直接には地方自治体が支給するものであるが,支給額の90%(1990年からは100%)を国からの補助金によって賄っている。

上記の奨学金は法律に基づき支給されるので,法定奨学金と呼ばれるが,このはか地方目治体が独自の裁重で支給する任意奨学金や、教育科学省等による大学院生を対象とした奨学金制度などがあり,1987年現在で,高等教育在学者全体のうち約69万人が何らかの奨学金を受給している。

しかしながら,反面,このような手厚い奨学金は財政上の負担が重く,高等教育拡大の障害となっているとの認識が政府において高まり,1990年,貸与奨学金の部分的導入に関する教育(学生ローン)法が定められた。これにより,奨学金に係る学生一人当たりの公費負担の軽減を図り,より広く奨学金を支給することができるとしている。

1988年に教育科学省が民間に委託して実施した学生収入・支出調査によれば,26歳未満の独身の学部学生の平均的な年収は4,000ポンド弱(約90万円)であり,うち親からの仕送りが36%,奨学金等の支給によるものが32%,就労収入が18%などとなっている。就労収入はその大部分が夏季休暇中のものであり,学期中はほとんど就労していない。支出については,住宅費が30%と最も大きな割合を占め,娯楽・旅行等24%,食費14%,書籍費等の学習経費6%などとなっている (図1-4-3)

1-4-3  大学生の年間平均収入及び支出(1988年)


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